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2020.01.22

19/11/02 (7)えちぜん鉄道三国芦原線【鷲塚針原→三国港/三国港→福井】

えちぜん鉄道三国芦原線普通 鷲塚針原(14:30) → 三国港(14:58)


 私以外には2名の直通急行からの乗り継ぎ客と共に、三国芦原線を更に北上します。高床式の島式ホームへ入線してきた電車は、こちら↓のMC5001形。きょう初めての1両編成(単行)の列車となります。後述の理由でこの車番「5001」1両しか存在しない形式なのですが、重要なのはそこではなく……


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 えちぜん鉄道が現有する旅客車両は1両を除いてすべてセミクロスシート車、と前記しましたが、その1両だけの例外が全席ロングシートの5001。27分の1というあまりの引きの悪さに、我が身を呪わずにはいられません。外から見るぶんには高床車両唯一のスラントノーズがなかなかイカしているのですが。
(下の車内全景の写真は三国港での折り返し待ち時に撮影)


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 さすがにまた30分も待つわけにはいかず、渋々この電車に乗車します。車窓がどうこうというよりも、ロングシートだとかぶりつき席でもない限り目線の置き所に困るわけでして。因みにえち鉄のワンマン列車の乗降方式はちょっと独特で、降車はもちろんのこと乗車の際も先頭車一番前のドアからなので、有人駅以外では他のドアは開きません。他のお二方もあれっ?と戸惑っている様子だったので、私と同じく遠征してきた同業者だったのかも。

 単行かつロングシートですが空席は僅かながら残っており、手近な席に着席。この列車にはアテンダントが乗務しており、発車してすぐに乗車券を拝見しにやって来ました。無札客に対しては整理券は発行せずに直接乗車券を販売し、降車時には運転士に代わって乗車券の回収および定期券のチェックを行うことになります。高齢者を主とした常連客とは自然に顔見知りとなるため、まるで孫娘のような感覚で雑談の相手になっていたりも。例えば10両編成のワンマン列車(東京メトロ副都心線)に象徴されるような、工場のベルトコンベアも同然の都会の電車とは真逆のような風景です。まあ、この程度の輸送量であれば鉄道である必要はないわけですし、新幹線以外の地方の鉄道はMaaSと自動運転技術の発達によって、より最適化された交通システムへ遍く置換されていくのは自明の理なわけですが(早く来い来い自動車の手動運転禁止の日)、ひとまず短中期的には今あるインフラを効果的に活用していくしかないのでしょうね。

 こちらの三国芦原線、福鉄福武線と同様にJR北陸本線の並行路線ということになるのですが、まとまった規模の市街地といえば福井市内を除けばあわら湯のまち周辺と三国の前後くらいなもので、あとは田園地帯に小島のように点在する集落を結んで走るといったイメージ。鷲塚針原の3駅先にある西長田ゆりの里までは朝の時間帯に区間列車が運転されており、フェニックス田原町ラインの運転区間がここまでになる予定もあったためにこの辺りで輸送量の段差があるのかもしれませんが、車窓から受ける印象に限るといずれの駅もどんぐりの背比べといった感じです。

 そんな風景の中を一直線に北上してきた線路が左へカーブを切ると、あわら湯のまちに到着。上述の通り、九頭竜川を渡って以来の町らしい町となります。JRの芦原温泉駅は温泉街からはやや距離があるのに対してこちらはそのど真ん中に位置するのですが、とはいえ大抵の宿泊施設は芦原温泉駅発着の送迎車を出しているため、観光路線としての活気には今ひとつ欠けるような気がしました。えち鉄線内随一の途中下車スポットなのは間違いないので、スケジュールにゆとりがあれば電車を一、二本落として、駅前にある足湯(その名も「芦湯」)等の立ち寄り施設を訪れるのも大いにアリかと。


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▲あわら湯のまち駅停車中


 ふたたび田園地帯をはさんで、三国の町へ。中心駅の三国からもう一駅行った先が終点の三国港(みくにみなと)です。瀟洒な駅舎を有する駅ですが、基本的には無人駅なので乗降もそれに準じた扱い。土日祝日の昼間のみ駅員が配置されるそうで、私が訪れた時にもその姿がありました。


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 駅名に港の文字が含まれるだけあって、ホームからも九頭竜川の河口と日本海が眺められます。できることならば駅から歩いて数分の海岸まで出てみたいところなのですが、列車を一本落とす余裕はあるもののこれはあくまで緊急用。トイレだけ済ませて折り返しの便で福井へ戻ることにします。先般の鷲塚針原乗り継ぎ組と同一人物かどうかは気にしていませんでしたが、同じ行動を取る方もいらっしゃいました。東尋坊の最寄り駅でもあるので、我々乗り鉄だけでなく観光客の利用もそれなりにあるのでしょう。


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 西日を浴びて発車を待つ5001です。MC5001形は京福電鉄時代の1999年、下回りを複数の旧型車両から移植したうえで車体のみを新造して製造された、えち鉄に籍を置く高床車両のうちでは「最新鋭」となる形式。2両製造されましたがもう一両の5002は2001年に保田~発坂間で発生した列車衝突事故における罹災車両となり、営業開始からたったの1年半で廃車となってしまいました。製造を担当したのは武庫川車両工業(当時)ということで、下回りと同様にインテリアもまた阪神電車の複数の形式から要素を寄せ集めたかのような、まさしくキメラを体現した珍車となっています。


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えちぜん鉄道三国芦原線普通 三国港(15:09) → 福井(16:01)


 11分のインターバルののち、福井へ向けて出発。今度は終点まで乗り通すので、50分強の長旅となります。日の高いうちは大部分の時間を電車内で過ごす一日となりましたが、結構なボリュームの路線を3本往復したわけですからそれも当然か。これは余談ながらあわら湯のまちにて対向列車との交換を行った際、交換列車が入ってくる直前にドアを閉めてしまい、信号が青に変わった瞬間に発進するというシーンに再度驚愕。3路線共々、きびきびとした走りっぷりや優等列車の設定(※えち鉄ではフェニックス田原町ラインを除いて朝の上りのみ)にみられるように、制約の範囲内で前のめりの姿勢を示す様子には頼もしさを覚えるわけですが……。


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▲(2枚)帰りも田園風景を愛でながら


 田原町からは最後の未乗区間へ。地図でパッと見ると田原町-福井口-福井-福井城址大名町-田原町という経路で環状線が形作られているように思えるのですが、運転系統・運転本数・運賃体系すべての面から実用性が皆無であるのはこれまで見てきた通りです。環状線から3本の路線が放射状に延びるというルート構成は富山地鉄の軌道線と相似しているため、ついこちらもそうなのかと誤解してしまうもので。田原町ー福井口の3駅間はそのニセ環状線でも一番地味な区間という予断がありましたが、実際に通ってみると市中心部の北の外れを地上線路で坦々と進む、期待を裏切らない地味な風景でした。

 福井口に到着し、これにて福鉄・えち鉄3路線を完乗。鷲塚針原→三国港の便から折り返して乗務していたアテンダントも、この駅で下車していきました。福井駅でもアテンダントの姿が見られたので、乗務区間については便によってまちまちの模様。

 日没まで1時間を切った16時01分、福井に到着。あとは大阪へ帰るのみです。日数のわりにえらく連載期間が長くなりましたが、次回が最終回。


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