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2020.03.25

新車で辿る和歌山線 & 新ルートを往くおおさか東線直通快速

 未だ4分の1しか消化していないというのに、COVID-19で始まりCOVID-19で終わる確信が揺るぎそうもない2020年。行きたい場所に何処へでも行ける自由の有難さを痛感しつつ、これから当分の間は物理的な制約の範囲内でネタを仕入れることにします。日本も含めた東アジアでの終息は世界の先陣を切りそうだとしても少なくとも1年前後の長期戦は不可避でしょうし、あわよくば喉元過ぎれば…では済まないほどの社会構造の大変革という「成果」をウイルスが残して行ってくれることを大いに期待して。




 さて、鉄道界に於いては今春は全国的に割と豊作なシーズンかと思われますが、常磐線や『ひのとり』あたりの大物はぼちぼち片付けていくとして、今回は地味な日帰りネタを投下です。



 まずは大阪府知事のスタンドプレーたる往来自粛要請をガン無視して、JRで兵庫→大阪→和歌山と進むことに。昼前まで用事があったために電車で行って帰ってくる時間しかないということで、途中下車は一切しない近郊区間大回りとなります。乗り込んだ丹波路快速は、8両フル編成ながらも明らかに不要不急の乗客でなかなかの乗車率。皆さん構わず神崎川(=兵庫県と大阪府の境)を越えていくのには、一般市民の健全さを確認できて心強い限りです。兵庫県知事は不快感を露わにしていましたが、あれは県民の総意の代弁でしょうね。親は選べずとも首長は選べるんやで…?>大阪府民


 大阪駅で紀州路快速へ乗り換え。乗換案内では出てこない1本早い便にギリギリで間に合いました。日根野~和歌山間が各駅停車になってから初めて乗車しましたが、大阪から和歌山まで89分という数字を突き付けられると、只でさえ遠いイメージに心理的な壁がまた一枚増えたような感じです。加えて和泉府中では9両いっぱいに空気を詰め込んだ関空特急はるか(ハローキティラッピング)に追い越されるという、コロナの渦中ならではの理不尽な目に遭ったりも。


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 もちろん山中渓にも停車。これだけのんびり走っても、天王寺~和歌山間では先着列車となります。各駅停車区間は景色もまたのんびりしていて目の保養になるのが救いでしょうか。


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 和歌山ではお目当ての和歌山線電車に3分接続。この時間帯の電車は2本に1本が途中の粉河(こかわ)で折り返してしまうのですが、接続列車は和歌山線を全線走破して王寺へ向かう便でした。出発時のプランとは違った乗り継ぎとなりましたが、このお蔭で後ほど予期せぬ追加イベントが舞い込んでくることになります。和歌山線ホームの出入口には中間改札が設けられており、とりあえず財布からICOCAを取り出して準備。大回り乗車であることを駅員さんに告げたところ、改札機へのタッチはしないでそのままお通りください、という対応になりました。

 3分接続なので車両の撮影は後刻の長時間停車の際に持ち越しとし、2両編成の電車で四半世紀ぶりの乗車となる和歌山線を東進する旅のスタート。長らく国鉄型の105系が主力だった和歌山線に昨年春から新型車両の227系1000番台の投入が始まり、昨年秋の105系全編成置き換え完了に続いて今春のダイヤ改正よりICOCAサービスが和歌山線全線へ拡大されたのを機に、こうして久しぶりに乗りに来たというわけです。


 ひとまず車内全景を一枚だけ。ボロくて五月蠅くてよく揺れる……と、実用的にも趣味的にも良いトコなしの105系(※個人の感想です)に代わる待望の新車なのですが、明るく広々とした車内はまずは好印象ではあるものの、転換クロスシートが基本の22X系ファミリーでは初となるオールロングシートなのが残念です。本系列が投入されたきのくに線・和歌山線・桜井線では、きのくに線は特急が走っており和歌山線・桜井線も短距離利用が大勢ということで、18きっぱーはともかく行楽客の不評を大いに買うということは無さそうですが、アコモデーションの充実度ではJR旅客6社のうちぶっちぎりのトップであろう西日本がとうとうこのような車両を繰り出してきたのはかなりの衝撃でした。


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 大阪の通勤圏に含まれる王寺ー高田間以外はデータイムだと毎時1本が原則の和歌山線も、上述の粉河までは和歌山都市圏の近郊区間として毎時2本が確保されています。五条までは全区間にわたって紀の川~吉野川が並行し、船戸ー岩出間を境に西は左岸・東は右岸を進むことになりますが、実際に川を眺められる区間はほんの僅か。川を遡上するにつれて平地は狭まっていくも市街地が途切れることはなく、粉河で列車本数がデジタル的に半減してしまうのは気の毒に思えるほどです。おしゃれな音色のチャイムに続く自動放送は、日英中韓の4言語に対応。ICOCAのサービスインからまだ1週間ということで、ICカードでの乗降をサポートする案内係が先頭車両に同乗していました。


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 乗車した便は始発から終着まで3時間近くにも及ぶ足の長い列車ということで、途中4か所の駅で長時間停車が行われます。まずは和歌山から1時間強、橋本にて10分の停車。私にとっては待望の撮影タイムです。


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 広島地区で導入されている227系0番台は赤がイメージカラーですが、こちらの1000番台は緑が基調。横長の側窓には転クロ装備車に設けられたロールアップカーテン用のガイドレールがないため、塗色を除けば大阪環状線・ゆめ咲線用の323系と酷似した外観となっています。


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 座席も323系のロングシートと同仕様のようですが、端部の袖仕切りが斜めに取り付けられてワイドな空間になっている323系に対して、こちらは普通に枕木方向に沿っているために窮屈。この辺りはやはり“二級路線”なりの処遇ということなのでしょうか。


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 無人駅を線内に抱える路線でICカードを導入する場合、各駅に簡易カードリーダーを設置するというパターンもあるのですが、今春新規にサービスインした区間では車載カードリーダーでの対応となっています(車内でのチャージもOK)。ワンマン2両運転だと乗車・降車ともに先頭車一番前のドアからとなるので、整理券発行機は運転台横にあるだけで他のドアにはラッシュ時用のカードリーダーのみを設置。そのためワンマン対応車両ながらもドア周りはスッキリとして見えます。


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 海沿いを走るきのくに線でも運用される車両なので、津波襲来時の避難を迅速に行うための梯子も車内複数箇所に装備。数十年先かそれとも明日か、いずれにせよ確実に南海トラフ地震は起こるわけで、3.11から9年の時を経て着実に「想定外」は潰されつつある――と信じたいところ。


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 広くて清潔なトイレも。今回は3時間近くの乗車だったので、2回お世話になりました。


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 橋本駅ホームを見回して。隣接する南海高野線のりばからは、極楽橋行きの電車が2両の短編成にも拘わらずほぼ回送状態で出発していきました。午後3時と高野山への日帰り観光にはもう遅い時刻だとは言え、思考が(ああ、やっぱり……)という回路から一歩も逸脱しません。泣く子も黙る世界遺産なのに。


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 隅田(すだ)を過ぎると奈良県へ。五条駅でも8分間の停車です。この駅もそうですが、線内には年季を積んだ木造のホーム上屋が数多く残っており、ピカピカのフレッシャーズとのコントラストがひときわ鮮やかです。


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 ホームに展示されている、『まぼろしの五新線に夢をのせて』というタイトルの作品。鉄道の未成線だけでなく、専用道を通るバス路線までもがまぼろしになってしまったわけですが。ホント、乗れるうちが華ですね。


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 次の北宇智(きたうち)駅は近畿地方で一つだけのスイッチバック駅として知られていましたが、2007年に廃止。現在は旧ホームに隣接した本線上に片面ホームを設けて停留所化されています。和歌山線の初乗車時にはこのスイッチバックを体験したわけですが、姨捨駅のような山の斜面ならば解るものの平地に近い場所に現れるので、前もって存在を知っていても奇妙な感覚になったものです。類似した立地環境の駅だとえちごトキめき鉄道(旧・信越本線)の二本木駅がスイッチバック駅のまま現存していますが、こちらもいつまで残るものでしょうか。


 その次の吉野口でも8分停車。ここでは近鉄吉野線と接続しますが、その吉野線ホームには見慣れないオレンジ色の電車が停まっていてなんじゃこりゃと。帰宅後に調べてみると「ラビットカー(阪神ジェットカーよりも歴史の古い高加減速車両)」の復刻カラーとして、6020系の1編成のみがこの塗色で走っているそうです。


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 北宇智ー吉野口間ではちょっと山岳路線っぽい雰囲気になったりもするのですが、谷間を巧みに縫って敷かれているこの和歌山線、営業キロ87.5kmというなかなかの長大路線でありながらも線内にトンネルは一本も存在しません。和歌山県と奈良県のイメージからすると、これまたすこぶる奇妙な感覚。御所(ごせ)付近からは奈良盆地に出てきますが、何しろ近鉄王国ですので沿線の人口密度のわりに存在感が薄いのが哀しかったりも。


 高田(たかだ)では最後の長時間停車として9分停車。ここから桜井線(万葉まほろば線)に入って奈良を目指す運転系統もありますが、当方の列車はそのまま和歌山線を進みます。以前は大和路線JR難波方面から高田まで快速電車が終日に亘って頻繁に直通していましたが、今春のダイヤ改正で朝夕と深夜のみに大幅削減されました。


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 最終区間も2両で十分という、遺憾ながら直通列車のリストラも納得な乗り具合。多少なりとも存在感が高まるのは、近鉄の幹線からは離れた志都美駅・畠田駅くらいでしょうか。


 和歌山からは2時間42分掛けて、終点の王寺に到着。ちなみに天王寺経由で紀州路快速と大和路快速を乗り継ぐと約1時間半で到達できてしまうので、通常はこのルートは用いられません。これだけガッツリ乗り続けると車両にもすっかり馴染んでしまうのですが、ロングシートという点は差し引いても新系列車両らしく乗り心地は良好ですし、車両のせいでこれまで印象の良くなかった和歌山線・桜井線のイメージアップにも貢献しそうです。




 当初のプランでは、四半世紀というほど昔ではないもののこれも久々の桜井線を経由して奈良へ抜けるつもりだったのですが、和歌山線で1時間早い電車に乗れたことによって王寺へ出るルートに変更。お目当てその2はこちら↓の電車です。


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 昨年春におおさか東線が全通し、これに伴って暫定開業当初は尼崎始発・終着で設定された直通快速が新大阪始発・終着に変更されました。加えて土日祝日ダイヤに関しては従来朝は大阪方面ゆき・夕方は奈良方面ゆきの片方向運転だったものが双方向運転に切り替えられ、大阪方面からの日帰りにも利用できるように。それと引き換えに本数は朝夕それぞれ上下2本と半減してしまったのですが(※一日を通じたトータルの本数は維持)、今回は偶々王寺駅にて僅か2分の接続で2本目の新大阪行きをキャッチできるという幸運に恵まれたため、直通快速自体はおおさか東線暫定開業当日以来2度目、新大阪始発・終着に変更後は初の乗車を試みることにします。

 ……で、本来は2分接続となるはずなのですが、奈良ー郡山間の踏切にて非常ボタンが押されたという理由で、電車が10分遅れで運転されているとのアナウンスが。と言っているそばから遅れが11分に変わったのですが、新大阪発着ということは新幹線連絡の使命も帯びていると見做せることから、尼崎発着時代には無かった切迫感が生じてしまっています。利便性が利便性なので、影響する実数はさておいての話ではあるとはいえ。


 電車の到着。尼崎発着時代、JR東西線内の一部の駅にホームドアが設置されたために3ドアクロスシート車から4ドアロングシート車に運用が変更されましたが、JR東西線を通過しなくなったのちも引き続きロングシート車が充当されています。こちらは207系の「未」リニューアル車。座席の座り心地だけならば転換クロスシートに勝る面もあるのでハズレ車ではないのですが、とはいっても横向きに座っていくのはどうかといった所。先頭車一番前の乗車位置で待っていたらかぶりつきスペースが空いていたので、終点までここで前面展望を楽しんでいくことにします。


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 遅れているものの特に回復運転に努めるつもりはないようで、所定通りの走り?でおおさか東線の入り口である久宝寺に到着。このさき線内には新大阪まで事実上待避設備は存在しないので、急いだところで先行の普通に当たったらハイそれまでよ、です。ダイヤ上は直通快速の4分後を追ってくるはずの普通(久宝寺16時56分発)を先に出していると考えられるため、この電車のケツをひたすら追う展開になるのは確定の模様。

 前半の久宝寺ー放出間、2018年に新駅の衣摺加美北(きずりかみきた)駅が誕生したり、昨年の春からJR河内永和・高井田中央の2駅が直通快速の停車駅に追加されるという変化もありましたが、何度か乗っている区間なのでここは淡々と。速度の方もおおむね下の写真の通りです。


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 後半の放出ー新大阪間は開業直後に普通列車で1往復したのみで、途中5駅を通過する列車で通るのは今日が初めて。所定では普通の15~16分に対して12分で走破するはずなのですが、やはり先行の普通に追いついてしまったようで、中盤以降は駅に停まらないだけで寧ろ普通より遅いというノロノロ運転になってしまいました。うーん、ツイてない。


 おおさか東線のハイライト、赤川鉄橋を通過。旅客開業から丸1年、複線橋梁としての姿もすっかり板についてしまっています。子どもの成長は早いよねぇ……(違)。


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 おおさか東線全通の頃にはもう完成していたはずの阪急京都本線・千里線の高架橋は工事が大幅に遅れており、切り替えは今のところ5年後の予定となっています。


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 最終区間の車内はこのようにガラガラ。尤も、この日を通じて……いや、今年いっぱいは「異常値」が続くのでしょうが。


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 神崎川信号所(下1枚目)と、梅田貨物線への合流ポイント(2枚目)。この区間の神崎川を二度渡る130度ターンもみどころの一つです。


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 結局、普通の後追いとなる形で最終的な遅延は15分となり、新大阪に到着。大阪駅新ホーム(北梅田駅の仮称がついていましたが、大阪駅への編入が決定)開業後は直通快速の始発・終着駅が再々度変わりそうなので、今回もまた過渡期の記録ということになるのでしょう。大阪へ一駅進んでしまうと一筆書きにはならないので、一旦ここで改札外へ出ておくことにします。


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 最後に、新大阪駅コンコースにて南紀へ誘うボードたち。白浜のアドベンチャーワールドもこの翌々日より、一部制限を設けたうえで営業を再開しました。私も手放しで賛同できると言えば嘘にはなるのですが、レジャーであってもリスク/ベネフィットにおいて個々の来訪者がそう判断したのならばそれは最大限に尊重する必要がありますし、何ら根拠なく自分たちのトウトイオチゴトは外部不経済でも止む無しと考えている連中の声ほど無駄に大きかったりするもので。他の国は知りませんが、日本については市民の主体的な判断に任せた方が上手くいくことでしょう。国民の多くに“相対的に”知性と節度が具わっているという積極的理由と、政府が無能なのでそうせざるを得ないという消極的理由の両面においてですが。もう……マジで役人なんて居ない方がいいですね。税金泥棒とはこういう時に使う為の言葉なのだろうなと。黙って全国民に直接現金支給しろや。


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 それでは皆様、よき春を。


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