和束の茶畑ウォーク その2【撰原(松尾)の茶畑~弥勒磨崖仏】
続いては「撰原(松尾)の茶畑」を見渡すビューポイントへ向かいます(※撰原の読みは「えりはら」)。この日は薄いコートがないとちょっと肌寒いような気候でしたが、歩き回るのにはこれ位の方が適していますね。梅の花はまだまだ残っており、あちこちからウグイスの鳴き声も。おお、シャングリ・ラ…… この時季、「茶源郷」と謳う和束が最も光り輝く季節の一つだったはずです。
上記のビューポイントはこの辺り。こちらは遠景を織り交ぜてのパッチワークが楽しめます。
その1の冒頭で3月下旬という時期に意味があると記したのは、下2枚の写真に写っている黒い覆いを掛ける準備のこと。茶の渋みが強くなりすぎないよう、玉露や碾茶(てんちゃ/抹茶の原料)用茶葉の栽培において必要な工程なのですが、新芽が芽吹いてからしばらくすると収穫直前までこの覆いが被せられてしまうので、イメージ通りの茶畑の風景を眺められるのは今がラストチャンスというわけです。夏も近づく八十八夜…の詩に引っ張られて4月半ば~5月頭に訪れてしまうと山が黒一色になっていて唖然──なので、訪問の際にはお気を付けください。
石寺や撰原のように特別に名前が付いたものでなくとも、町じゅうの茶畑がそれぞれに見どころ。山の斜面だけでなく谷間もまた余すことなくお茶の木でぎっしり(下5枚目の写真)なのには脱帽です。
谷間を抜けると再びパノラマが。ところで和束だけでなく静岡や狭山等あらゆる茶畑に林立している扇風機のような装置、何に使うかというと、水分をたっぷり含んだ新芽に霜が降りて凍結するのを防ぐためなのだとか。ちょうど今の季節に大活躍するのですが、霜害が発生するほどに地表近くが冷えていても上空数メートルには暖かい空気の層があり、攪拌によってこの空気を下ろしてくるという仕組みです。てっきり夏に稼働するのかと思いきやその逆だったわけですが、確かにサーキュレーターと同じ機能だと解れば得心が行きますね。
いったん県道のそばまで下りてきましたが、ここで茶畑エリアからはちょっとだけ道を逸れて、こちらの弥勒磨崖仏(みろくまがいぶつ)へ。帰りの県道を走るバスの車窓からも目立ちましたが、鎌倉時代後期の1300(正安2)年4月に作られたという、高さ約7mの立像です。
次回へ続きます。
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