22/07/04 (2)“ひだま”でのんびり?九州上陸(後編)
岡山を出発。ここで一区切り入れたのは、岡山から待望(?)の通過運転が始まるという理由もあってのことです。再び300km/h近くまでスピードを上げた(下1枚目の写真)列車は、新倉敷を通過(2枚目)。因みにこの時点で既に2本の下りこだまが新倉敷を出発しています。
なお、グリーン車にフルアクティブサスペンションが装備されるのはN700Sからで、N700A及び元無印のスモールA世代ではセミアクティブサスペンション止まり。この辺のとっくに確立された技術を小出しにするポリシーは気に食わないものの、今回の乗車では全区間を通して気になるような揺れは感じず良好な乗り心地だったため、まあよしとしておきます。山陽新幹線、以前に乗った時には場所によってはこれ大丈夫か?と不安を掻き立てられるほどに派手にユサユサ揺れたりしたのですが、現状では車載装置に頼らずとも保線の方でしっかり対応しているのでしょう。
福山に停車した後は新尾道を通過し、これで早くも貴重な3つの通過駅のうち2つを消化してしまいました。下の写真は7時30分着の三原。
続いて7時41分着の東広島。駅舎が瓦屋根だったり、下りホームとはほんの短い通路で直結していたりと、新幹線の駅らしからぬ長閑さが窓越しでも伝わってきます。
この辺りで「自由席が混みあってきたので、座席に置いた荷物は片付けて」というアナウンスが入ります。グリーン車の車内の動きは案の定ほとんど無い一方で、この通勤時間帯になると16両中10両を自由席に割り当てるだけのことはある、東海道新幹線へ直通しない列車では珍しいフル編成の威力を存分に発揮していたのでありました。
東広島市内では相変わらずの曇天でしたが(下1枚目の写真)、広島中心部に入ると青空が僅かに覗いていたりも(2枚目)。
7時51分、広島到着。ここで後続列車の待避のために9分間(※アナウンスでは8分)停車します。さながら高速バスのSAでの途中休憩のよう、ということで、停車中に朝食その2の調達を行うことにします。8号車の停車位置のほぼ真ん前(※16両編成の場合)に駅弁の売店があるのですが、こちらはお昼時の11時の開店。エスカレーターを降りて改札内コンコースへ移動するも、次に訪れた売店はこれまた準備中。その次の3軒目で漸くよりどりみどりの駅弁が並んでいました。吟味するほどの時間はないので、広島といえばアレという名物をパッと手に取って購入です。
プラットホームへ帰ってくると、7時56分発の<さくら541号>が出発していくところ。こちらの新大阪発は6時25分(=当列車の19分後)と、全体の半分以上を消化した時点でも未だ大差はついていません。
自席へ戻ったら、早速こちらの「夫婦あなごめし(税込1300円)」を開封。2本入った大ぶりの煮穴子を夫婦に見立ててあります。もちろん加熱して賞味するのがベストではあるのですが、これはもう駅弁の宿命でトレードオフなので仕方がありません。お味の方は人気駅弁らしく文句のつけようがなし。穴子の骨せんべいと広島菜漬が添えられており、特に骨せんべいは酒飲みでなくとも別に一袋買ってポリポリやりたいほどに美味でした。昼食は熊本到着後になるのでまだ相当時間がありますが、こうして二回も朝食を摂っておけば余裕で持つことでしょう。
広島の街を離れると、お空はどんよりへ逆戻り。天気が節操なくコロコロと変化するのも高速列車あるあるです。
あなごめしを堪能し終えたら、ゴミ捨てのついでにトイレに立ちます。一番近い7号車東京方のトイレへは8号車博多方の乗務員室の横を通って行くことになりますが、この密閉空間の狭い通路に車掌が3人集まって会話の最中。業務連絡ならば止むを得ないのですが、そうではなく雑談のようでして。あれだけ「座席を向かい合わせにしてのご利用はお控え下さい」等と乗客に協力を要請しておきながら、当の本人たちがコレとはあんまりなのでは。……まあこんな事は最近じゃ日常茶飯事なのですけれどね。しかし非理が非理であることすら解らぬとは、恐ろしい勢いで人類の白痴化が進行しているものだなと。
車窓にコンビナート群が現れると、間もなく徳山駅。日本の新幹線駅で最も海に近い駅とも云われていますね。駅構内に急曲線が存在するために通過列車も200km/hを下回るスピードまで減速しますが、流石にその車内からプラットホームの広告まで確認できるわけではなく。駅近くに「周南市徳山動物園」という山口県下最大の動物園があるというのも、そのプラットホームの広告で今回初めて知りました。
新山口を出ると最後の通過駅・厚狭(あさ)を挟み、本州最後の駅である新下関へ。広島以西は駅間距離が長くなるため、もう追い抜かれないという安心感もあって体感速度がグンと上がりました。
観光旅行では3度目の九州へ上陸して、小倉到着。1度目→2度目( 「SUNQパス」で巡る長崎・熊本・福岡」)は16年のブランクが空きましたが、2度目→3度目は6年弱で戻ってきました……あっ、奄美大島を含めたならば九州は2か月ちょっとぶりなのか。飽くまでも九州本土は、ということで。空模様はまたもや変化し、台風に最接近したのにも拘らずここまでで最も良い天気になりました。
在来線特急ならば最速列車でも40分余りを要する小倉―博多間を16分で駆け抜け──JR九州の立場からすると文字通り「誰のシマで商売しとんじゃワレェ」という心証でしょうね、今更ながら──、9時19分、定刻通りに博多へ到着です。『トクトク!ひかり・こだま』ではこの先<つばめ>に乗り継いで熊本・鹿児島中央方面まで行けるプランも用意されているのですが、これだと普通車プランしか選択できない(新大阪―博多のグリーン車区間利用は不可)ため、先述しましたがこの機会に西鉄天神大牟田線の乗り潰しを済ませることにします。流石にグリーン車なので3時間強程度の乗車では全くの疲れ知らずで、「ちょっとばかし上質な設備」「ガラ空きで静粛な車内」「オープニングイベントとしてのN700系G車初乗り」の対価がプラス1,000円ならば安いものです。正規のグリーン料金が6,600円というのはやはりふざけていると感じますが、とはいえこの種のアッパークラスがコスパに優れ過ぎても「品位の担保」という設定の意義に反するわけで、ここはオトナの態度でスルーすることに致しましょう。欧州の高速鉄道の1等車よりはアコモデーションレベルはずっと上とはいえ、早割が充実していて幅広い客層に案外カジュアルに利用されているあちらさんとは異なり、料金が料金ですし有難がるような代物でもないです。
というわけで、最終目的地の熊本まではまだまだ長い旅です。
(2022.07.04)
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