22/07/04 (3)西鉄天神大牟田線・その1【西鉄福岡(天神)→西鉄二日市】
博多からは初めて乗車する福岡市地下鉄の空港線で天神へ移動(運賃は210円)。改札出場後に案内表示に従って進むとやけに狭くて曲がりくねった通路へと誘導されてしまったのですが、ともあれ西鉄福岡(天神)駅に到着です。電車が着いたばかりなので、改札口から下車客が怒涛の勢いでこちらへ流れ出してきました。
その流れが止んだところで改札内へ。配線自体は4面3線と大手私鉄のターミナルにしては比較的小ぢんまりとしているものの、屋内(駅ビル内)にありながら明るくて広々、そして整然としており、一目で好感を持ちました。
先ほど到着した電車。西鉄といえばアンシンメトリーなこの顔です。
その電車を追って到着したのは、「旅人(たびと)」という愛称のついた観光車両。基本的には西鉄二日市~太宰府間を往復しているのですが、このように一日1本のみ西鉄福岡から太宰府へ直通する急行の運用があります。
側面。西鉄では3ドア車と4ドア車が混在しているため(2ドア車の8000形は2017年までに全編成が引退)、アーバンネットワークではお馴染みのロープ昇降式ホーム柵が設置されていました。
出発待ちの間に車内をちょっと覗き見。外装は派手ながらも車内は化粧板の絵柄が号車ごとに異なる特別仕様であるほかは一般車両と同じのようです。西鉄の看板車両だった8000形は全編成が過去帳入りしてしまいましたが、その後も特急に関してはこちらの転換クロスシートを装備した3000形を中心とする運用が組まれています(組まれているはずです)。
次の10時00分発の特急まではまだ15分ほどありますが、良席を確保するために早めに乗車位置に並んでおきます。3線しかないうえに特急入線までは残りの2線のみで発着をこなしているため、ちょっと目を離している隙に直ぐホームの景色が変わってしまうという。そうして電車ウォッチができるのは楽しいものの、せっかく駅が綺麗なのに一部の車両の洗浄あるいは外板のメンテナンスが不十分で、どこか海外の列車のようなみすぼらしさを感じさせてしまうのが残念です。JR九州のメンテナンスの杜撰さにも定評がありますし、ひょっとするとこの土地の鉄道文化の悪弊…なのでしょうか。
折り返し特急大牟田行きとなる電車の入線は、発車6分前と案外遅く。もう朝ラッシュも終わっているので、当然転クロ車の3000形が充当されているのだと信じて疑わなかったのですが……
こちらは西鉄の最新鋭車両である9000形……いや、形式名なぞどうでもよろしい。テツなのだから余所者にだって分かります、この形式、オールロングシートなんです。地元の阪急京都線特急でもデータイムにロングシート車が入っているのはそう珍しいケースではないものの、あちらが全区間で40分少々なのに対してこちらは1時間の大台に乗ってしまうわけですからねぇ。これは飽くまでイレギュラーな代走運用と思いたいところ。下の写真は車内の様子ですが、ただでさえ期待を裏切られて凹んでいるというのに、上で苦言を呈した通り窓が汚れていて満足に外も見えません(※緑がかっているのはUVカットガラスのため)。わざわざ回り道をして乗りに来たというのになんたる仕打ち!と恨み言を言っていても始まらないので……
64分間立ちんぼうを承知でかぶりつきを行うことにしました。流石に安全運行に関わる前面ガラスは綺麗に保たれていますからね。これも8000形時代には展望席に座りながら優雅に楽しめたわけで、一段二段どころではない格落ち感。ともあれ、ここからは前面展望の写真でお送りします。
ガチャガチャとポイントを渡って西鉄福岡を出発すると(下1枚目の写真)、僅か800メートルで次駅の薬院(2枚目)。地下鉄七隈線と接続しているほか、JR博多駅と西鉄沿線を行き来する場合は当駅で路線バスと乗り継ぐのが最短ルートとなります…が、カオスな西鉄バスのこと、今回のように天神大牟田線全線の完乗目的でなくとも、慣れた沿線住民でなければ西鉄福岡駅経由の地下鉄空港線乗り継ぎの方が分かりやすくて安心かもしれません。ということで西鉄福岡駅と合わせて福岡都心部の分散型ターミナルとして機能しており、天神大牟田線の最混雑区間も薬院~西鉄平尾間となっています。
薬院を離れると2駅通過し、2017年に特急停車駅に加えられた大橋に停車。嘗ては名実共に特急だったものが今や実態としては快速急行…という事情は関西私鉄と同じです。その次の西鉄二日市までは6駅飛ばすのでいよいよ特急らしさを発揮──とはいかずにまたまた向かい風で、雑餉隈(ざっしょのくま)~下大利間が高架化工事中につき、この区間で一時的に減速運転が行われている次第。既に軌道敷設や架線吊架は完了しているようでしたがそれもそのはず、高架切り替え日は8月28日ともう2ヶ月を切っています。同時に実施されるダイヤ改正で減速運転が解消されるために特急・急行の所要時間も2分短縮されますが、ネガティブ要素として平日において大牟田発着列車が特急から急行へ格下げとなる時間帯が更に拡大。いま乗っている西鉄福岡10時00分発の特急もこの格下げ対象となりました。具体的には停車駅が7駅追加、所要時間の延びは9分となります。
余談ながら前面展望を眺めていると「チケット」と書かれた標識が頻繁に過るのだけれどこれは何ぞや? ということで後ほど調べてみると、どうもスタフのことを西鉄ではこう呼ぶようでして。運転時刻表を確認するように、という指示なんですね。所変われば品変わるというのは鉄道界隈もまた例外ではなく。
10時16分、西鉄二日市に到着。ここから分岐する太宰府線だけは完乗済みなのです、もう22年も前のことではありますが。
写真が多いため、ここで一旦分割して次回へ続きます。
(2022.07.04)
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