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2022.07.13

22/07/04 (1)“ひだま”でのんびり?九州上陸(前編)

 前の話題の中でぼそっと予告した通り、1泊2日で北部九州へプチ乗り鉄の旅に出掛けてきましたので、ここから暫くはそのお話を。今回は先に目的地が決まっていたわけではなく、諸般の事情で7月4日・5日と丸2日自宅を空ける必要が生じ、猛暑の中をほっつき回る気はないとなればじゃあ以前の話題の中で言及したSUGOCAエリア大回り乗車を織り交ぜてみようかな、と考えたのが発端となります。間の悪いことに出発2日前の予報にて台風4号がちょうど訪問期間中に九州を直撃するというコースがほぼ確定してしまい、結果的にかなりの予定変更を強いられてしまったのですが、上述の都合で日にちは動かせないのでこの際アドリブ力を養うには良い機会だと前向きに考え、キャンセルはせずに出発することにしました。


 九州への往復の交通手段ですが、復路は毎度おなじみPeachのセール価格で早々に決まったものの、往路はセール価格では確保できなかったために他の交通手段を探すことに。初めは先ごろ新造船が就航した阪九フェリーの神戸―新門司便を検討したのですが、個室にすると9,720円と意外にいい値段がするので即決とはいかず、ひとまず保留。夜行高速バスは却下なので残りは新幹線ですが、JTBと日本旅行からひかり・こだま限定で割安な運賃が利用できるプランが出ており、調べてみるとなかなか魅力的な内容だったのでこちらを利用することにしました。


 今回利用したJTB版のプラン名は、『トクトク!ひかり・こだま』。形式上は出発駅集合・到着駅解散の添乗員なし旅行プラン、という扱いになります。こだまだと東海道新幹線の『ぷらっとこだま』よろしく、途中駅での度重なる待避のために新大阪―博多間で4~5時間掛かってしまうのですが、早朝・夜ならば数少ないひかりを選択でき、最速でのぞみ・みずほ並みの約2時間半という列車も。今回はその最速列車よりも一本早い、新大阪6時06分発の<ひかり591号>をチョイスしました。プラン料金は新大阪―博多間で大人8,300円(*注)ですが、グリーン車連結の列車ならばプラス1,000円でグリーン席も利用でき、今回はこのオプションを選んだので支払額は9,300円に。1日目の最終目的地は熊本なので、未乗である西鉄天神大牟田線の乗り潰しも兼ねて
新大阪-(新幹線)-博多-(地下鉄)-西鉄福岡-(西鉄特急)-大牟田-(JR鹿児島本線)-熊本
というルートを取ることにします。もしもフェリーだと北九州―福岡間の移動コストが別途必要になるため、その点でもリーズナブルです。
*注:同区間の正規運賃+新幹線さくら・ひかり・こだま指定席料金は通常期で15,280円のため、46%引きとなります。


 下の画像は、広くはないスペースに大量に情報が詰め込まれているきっぷの券面。正しくは乗車券・料金券ではなく募集型企画旅行の参加証とでも称することになりますが、発行はJR駅に設置されている指定席券売機で行うことになりますし、もちろん自動改札機の通過も可能なので、キャンセル要件の厳しさと乗り遅れの際の救済措置が全く無いことを除けば使用感覚はJRのきっぷとまるで変わりません。『ぷらっとこだま』と異なり特定都区市内制度も適用される(※川西池田発着だと180円の節約)ので、益々きっぷと変わらないなと。一応、発行後のキャンセル手続きは少々煩雑というツアー形式特有の難点はあるため、今回は乗車2日前に引き取りに行きました。


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 川西池田5時22分発の普通吹田行きで出発。前の電車(JR宝塚線上り始発)はJR東西線直通で且つ尼崎駅での接続が悪く、この電車が実質的に唯一の選択肢。6時00分発の新幹線に乗り継ぐとなると新大阪駅での接続時間は10分なので、運転見合わせは当然のこと一定以上の遅延は即The Endを意味します。川西池田駅に着いてみると前日の丹波地方の大雨が原因で車両繰りに影響が出ており、案内板に表示された「一部列車の運転を取りやめます」の文字列にドキッとさせられたのですが、幸い当該電車は平常通りの運行。そして定刻通りに新大阪へ到着し、まずは第一の関門をクリアです。


 6時00分発の東京行き<のぞみ200号>・鹿児島中央行き<みずほ601号>、6時03分発の東京行き<のぞみ202号>と朝一番の速達列車の出発ラッシュを迎えているなか、当方の23番ホームはのどけし雰囲気。何しろこの<ひかり591号>、運転区間にある17駅の途中駅のうち、通過するのは新倉敷・新尾道・厚狭の3駅だけという各駅停車に近い列車なのです。それでも関西―九州間の移動に於いて実用的なのは、運転密度の比較的低い早朝とあって、速達列車の待避は広島で一度行うのみで残りの13駅での長時間停車がないため。というわけでのんびりとはしながらもイライラとは無縁な、3時間13分の“ひだま”の旅が始まります。


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 本日の<ひかり591号>に充当されている編成は、JR西日本所属のN700A(スモールA)・K15編成。16両編成なのでグリーン車も3両つながれており、いずれもガラガラのなかで最も空いていた8号車の11番A席をシートマップから選択しました。


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 いまはグランクラスなるバブリーな席種が登場してしまったものの、東京以西太平洋側の新幹線路線では依然として最上位クラスのグリーン車。N700系列では背もたれを倒すと座面が後ろに傾く「シンクロナイズド・コンフォートシート」が採用されています。窓の向こう側に停まっているのは先行する、そして新神戸以降どんどん引き離される<みずほ601号>。8両編成で且つ普通車指定席は2+2配置で定員が少なめとあって、乗車率には天地ほどの差があります。


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 着座視点。背もたれが大きいので余程の長身(或いは胴長)でなければ、座った時の視界で前方の車内案内装置は見えません。


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 フットレストの床のカーペットと同じ柄は土足側。これを手前に倒すと広い素足側が展開されます。右のペダルで高さの調節も可能。


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 背もたれの角度および連動する座面の調節レバー。


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 ヘッドレストに内蔵された読書灯のスイッチ(左)、シートヒーターのスイッチ(右)、モバイル機器用コンセントの通電ランプ(下)。


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 アームレストの先、各席に1口ずつ用意されたモバイル機器用コンセント。普通車の全席に装備されるのは2020年に営業運転を開始したN700Sからで、それまではこのように文字通りの「差別化」が図られていました。


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 背面テーブルに加えてインアームテーブルも装備。但しドリンクホルダーはないため……


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 私は壁面のフックにペットボトルカバーを引っ掛けて使っていました。好みによりますが、シートポケットにねじ込むよりもこちらの方がスマート?


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 当列車は山陽新幹線内、つまりJR西日本管内で完結する列車なのですが、車内誌の方はJR東海仕様。勝ち組ビジネスパースン必読のオピニオン誌「Wedge」と一緒に、「ひととき」という旅行をテーマにした“普通の”作りのものも入っていました──いや、中身は見ていないのですけれど。葛西が死んでもネトウヨ路線は続くよどこまでも、というわけです(最近この界隈の「大物」がハイペースでくたばっていきますね)。なお、両誌とも無料配布されるのはグリーン車のみなのですが、東海道新幹線自体滅多に乗らない(乗らずに済む)ので、ああ言われてみれば、という感じです。それでいいのか、車内誌って。


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 発車数分前に「この列車には自動販売機も車内販売もないので、飲食物のご入用は駅にて」という趣旨のアナウンス。案内というよりは警告に近いですね、Hungryの方はまだ耐えられてもThirstyの方は本当に苦痛ですから。飲み薬を服用するのにも水が必要ですし、抑々の話としてこのシーズンの熱中症対策は言うに及ばず、季節を通して健康管理に密接に関わってくるわけで。車販はともかく自販機のようなインフラ同然の設備すらかくもあっさりと切り捨てるとは、JRも(意外性は無いにせよ)えげつないですね。それでいいのか、長距離列車って。


 6時06分、定刻通りの出発。と同時に、朝食その1として手作りおむすびでまずは腹ごしらえといきます。その1と呼ぶからにはその2もあるわけですが…それはまた後ほど。因みにシンクロなんちゃらですが、車内で寝るわけではないので少し倒したポジションにて終始固定しておきました。それ以上倒すと車窓が見え辛くなってしまいますし。


 新神戸に続いて西明石に停車。ここと相生では当列車が山陽新幹線下りの始発列車となります。


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 山陽新幹線で満足に海が眺められる区間は、西明石駅付近と徳山駅付近の2か所。まずは前者の明石海峡大橋~淡路島~播磨灘を、以前の速達列車の時よりもじっくりと。尤も天気はこの通りですが。


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 姫路では7時15分発の広島行き<こだま837号>として運転される700系7000番台との出会いが。<ひかりレールスター>がほぼ全部<さくら>に置き換えられたとはいえ、形式そのものは全編成(16編成)が健在です。


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 今回の乗車では、GPSの電波が届く明かり区間にてスマホアプリによる速度計測を行っていました。下の写真は岡山手前での計測中の模様ですが、ほぼほぼ各駅停車ながら駅間が開くなどの条件が許せばこうして300km/h近くを出して走っていました。これに加えてN700系の通勤電車並みの加速性能と、より細かな速度制御が可能なデジタルATCを活かし、0系・100系時代の速達<ひかり>に肉薄する平均速度を実現しているようです。


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 7時02分、岡山到着。さしもの「晴れの国」も今朝はこんな天気です。先行する新神戸・姫路停車の<みずほ601号>が50分で到達するのに対して56分と、まずここまでは大健闘。


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 字数が4千文字を超えてしまったので、続きは次回にて。

(2022.07.04)

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