22/07/04 (4)西鉄天神大牟田線・その2【西鉄二日市→大牟田】
西鉄二日市~西鉄久留米間は13駅通過・15分間無停車と、往年の特急らしさを今なお受け継ぐ区間。2008年には特急電車の最高速度が100km/hから110km/hへ引き上げられており、同区間では表定速度もあっぱれ93.6km/hに達します。西鉄二日市を出た頃から沿線の建物の密度がだんだん低くなっていき(下の写真)、多くの下り電車が行先としている筑紫(ちくし)付近で一気に田園風景へと変わりました。特急は30分間隔かつ西鉄では特急と急行の格差が大きいために旅客が集中して混雑気味なのではというイメージでしたが、この時間の下り電車ということで3ドアロングでも座席に確実に座れる程度の乗車率でした。
汚いドア窓を通してその田園風景を。まともに撮れないのは最初から解っていましたが、やはりファインダーを覗いた瞬間にいかりや長介氏の決め台詞が脳内で再生される羽目に。
筑後川を渡る直前、宮の陣駅で甘木線(あまぎせん)からの線路が合流(下の写真左側)。今回の旅ではこちらの路線へは手を付けないので、西鉄全線の完乗はまだお預けとなります。
10時32分、天神大牟田線の大きな区切りとなる西鉄久留米に到着。ここ以南、一部の急行を除いて特急と急行の停車駅は同一となります。どうでもいい話&賢明な読者へのお目汚しですが、いま履いているMade in Japanのシューズがここ久留米に本社と工場を置くアサヒシューズ製なので、これが(恐らく最初で最後の)里帰り。中国や東南アジア製の製品が氾濫する本邦(及び世界)ではこんな事ですら非常に感慨深いものです。拝金主義and/or貧乏で頭が悪い自称愛国者諸君はトーゼン高くても爪に火を点しつつ国内産・国内製(≠国内企業)を選んで買い物をしていますよね? 唯でさえ見苦しいのだからせめて言行くらいは一致させろ。言うまでもないですがiPhoneだってクパチーノへ連れて行っても怒られるだけですからね、ココじゃねえよチャイナorインディアだよ、と。
続いて2004年に特急停車駅に加えられた花畑に停車。西鉄久留米からは直線で900メートル、互いに停車している電車がはっきり見えるほどの近さです。こちらも薬院駅と同様に、メインターミナルの補完的役割を担う駅となっています。駅所在地の地区名から採られている変わった駅名も秩父鉄道の御花畑駅とは違い、本当に久留米藩主の有馬氏が所有していた邸宅にあった花畑から由来しているとか。
花畑からは最初の単線区間へ入るため(【追記訂正】正しくは次の試験場前駅から)、右側の線路へ転線(下1枚目の写真)。交換可能駅は原則的に一線スルー構造となっているので、純粋に線形に応じたハイスピードを維持します。線路の両側に建物が建て込んだ箇所などは、複線区間とは比較にならないほどのカッ飛び感。
大善寺(下1・2枚目の写真)も緩急接続を主な目的として2001年に特急の標準停車駅となった駅。ここを出ると5駅先の蒲池(4枚目)まで一時的に複線に復帰し(3枚目)、データイムはこの区間で上下の特急・急行電車がすれ違うダイヤが組まれています。交換待ちの無駄な停車時間を完璧にカットしたこの見事なダイヤは、一部の列車が急行へ格下げとなっても依然踏襲されている模様。
一枚だけ運転席越しに。
疾走に次ぐ疾走を経て10時49分、大牟田市内へ入る前の最後の停車駅・柳川に到着。天神大牟田線からひとつだけ下車駅を選ぶとしたならば、余程のひねくれ者でない限り当駅の他にないですよね。
もうしばらく単線区間は続き……
開(ひらき;下1枚目の写真)からは終点大牟田まで複線区間に。まもなく新栄町というところで左手にはJR鹿児島本線の線路がぴったりと併走(2枚目)します。特急<つばめ>⇒<リレーつばめ>や<有明>と熾烈なデッドヒートを繰り広げた黄金時代も追憶の彼方へ。
大牟田の中心市街地至近の新栄町駅。といっても「元」中心市街地というのが実態らしく、『SunLive』(サンリブ、と読むそうです)という駅前の超一等地に立地する商業施設ですら割れ窓・落書きだらけの廃墟と化していました。行きずりの旅人さえ悲哀のズンドコへ突き落とす圧倒的斜陽力。意外と言っては失礼かもしれませんが、西鉄特急の最も停車駅が少なかった時代(西鉄二日市・西鉄久留米・柳川・新栄町の4駅停車)の停車駅に含まれていたんですね。黒いダイヤで湧いた時代を知らない世代ならば当然の反応ではありますが。
ダイヤ上は大牟田11時04分着なのですが、上り急行電車の出発が遅れており構内手前で信号待ちを行ったため、約2分遅れでの到着となりました。西鉄福岡からここまで4本すれ違った大牟田発着の特急・急行電車のうち、2本がロングシート車。ということで私が特別不運というわけでも無さそうです。これはこれで西鉄特急を堪能できたので全然オッケー。
折り返し11時31分発の西鉄福岡行き電車はもちろん急行。1時間11分掛かっておまけにロングシートとは踏んだり蹴ったりです。なお、西鉄福岡~大牟田間の運賃は2022年現在で大人1,040円。後述するようにデータイムに於いては2018年以降、両都市中心部を直結する鉄道路線としては西鉄が事実上唯一の選択肢となっています。
大牟田駅でのプチ滞在を含め、次回へ続きます。
(2022.07.04)
« 22/07/04 (3)西鉄天神大牟田線・その1【西鉄福岡(天神)→西鉄二日市】 | トップページ | 22/07/04 (5)大牟田駅/JR鹿児島本線【大牟田→熊本】 »
« 22/07/04 (3)西鉄天神大牟田線・その1【西鉄福岡(天神)→西鉄二日市】 | トップページ | 22/07/04 (5)大牟田駅/JR鹿児島本線【大牟田→熊本】 »
コメント