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2022.07.26

22/07/04 (9)熊本市電【熊本城・市役所前→健軍町/健軍町→通町筋】

 まずは熊本城・市役所前電停から路線東端の健軍町(けんぐんまち)電停へ向かうことに。A系統とB系統の重複区間なのでデータイムでも毎時10本運転されており、いまの夕ラッシュ時間帯は若干本数が増えています。市街地区間の乗り潰しなので日没後(※この日の日没時刻は19時29分)にかかっても車窓の点では問題はないのですが、然りとて遅くなり過ぎると明日のスケジュールに響くわけで、遅くとも20時には帰るつもりで進めていくことにしました。


 時刻表では16時49分発の電車(田崎橋始発のA系統)に乗車します。車両は記念すべき日本初の超低床式LRV、9700形。車番は9704A+Bで、2001年に導入された同形の最終増備車となります。


 構成の都合上外観の写真はまた後で貼りますが、車内の写真はコチラ。1997年のデビュー当時は純国産の超低床式車両はまだ開発段階でしたが(初の営業車両は2002年導入の鹿児島市電1000形)、車体に関しては業務提携を受けての国内製造ということもあり、舶来物らしき要素はそれほど多くは見られず。車内の出っ張りの目立ちかたなどに時代を感じるとはいえ、ここは2連節車体の威力で帰宅ラッシュをそれなりに悠々と捌いています。100%低床車両なので車内の移動は容易なのですが、熊本市電の連節車両には案内係を兼ねた車掌が乗務しているため、前と中央の2ヶ所のドアで乗降が可能となっています。A系統・B系統ともに全区間で1時間弱という長丁場になるため、途中の交通局前電停にて乗務員の交代が行われるのも熊本市電の特徴。


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 乗車して程なく、スマホへ間もなく猛烈な雨が来るという通知が入ったのですが、それから直ぐ実際に土砂降りに。電車へ乗った途端にとは何て空気が読める子なんや、くまモン……!(←日本で一番擬人化がしっくり来る都道府県)


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 水前寺成趣園(水前寺公園)付近までは以前に高速バスや一般の路線バスでも通過したのですが、当時は外から観察、そして今日は先刻既に体感したように、こちらは古き良き路面電車のイメージそのままにゆったりノロノロと走っていきます。今の時間帯は道路が渋滞しているために相対的には速いのですが、閑散時間帯ならば路線バスの方が総じて所要時間は短くなるでしょうね。この道路の混雑状況を見るに、車線増設のために安易に廃止を断行することなくよく踏み止まったものだと。そういえばJRが発足した1987(昭和62)年には特急<有明>が水前寺までの乗り入れを開始しているのですが(のちの豊肥本線電化後に肥後大津まで運転区間を延長)、熊本駅前―新水前寺駅前間を市電で30分を要すとあっては、余所者ですらその絶大な時短効果が実感できるというもの。参考までに、豊肥本線熊本―新水前寺間の所要時間は6分(特急)~9分(普通)です。このノロノロ具合、ソリューションとはいっても ①(法令改正を伴う)最高速度の引き上げ(現在は40km/h)・②優先信号の拡充(辛島町以西へは2010年度に簡易的に導入(*注))・③平均駅間距離600~800m程度への電停の統合・整理、くらいしか思いつかないのですが、①と②はともかくとして③は前例が皆無ということもあり猛反発必至でしょうね。
*注:熊本市交通局HP>「経営戦略の策定に向けて~熊本市交通局経営計画 2020~」より


 もう一つ旧態依然としているなと感じたのは、あの安全地帯とは名ばかりの極細プラットホーム。商業高校前電停では同校の生徒がプラットホームに入りきらずに軌道敷の上まで列が大きくはみ出ているという、危険極まりないシーンにまで遭遇してしまいました。対向側だったので顛末を最後まで見届けたわけではないのですが、これ、①車道を走る車が停止するor路肩側に寄る→②列が車道上へ移動→③電車が入線、というプロセスでしか処理できないのでは。他の電停も局所的な改良は順次実施されているようですが、拡幅に関しては物理的に困難ゆえに事実上の棚上げ状態とみられます。先に見てきた熊本駅前-二本木口-田崎橋間は軌道敷の緑化及びサイドリザベーション化と併せて幅広のプラットホームへの改築が行われていたものの、他の区間でここまで抜本的な改良が可能かというと、やはり厳しそう。


 終点近くでようやく座席に座るも殆どの区間を延々続く市街地を眺めつつ立ち続け、17時23分、時刻表よりも2分遅れで終点の健軍町に到着。熊本城・市役所前から5.9kmを30分少々掛かったので、表定速度は10km/hから11km/hくらいですね。外は依然としてやや強めの風を伴う大雨なのですが、降車ホームと乗車ホームが分離されており下車後即乗車という手段が使えないため、意を決して車外へ飛び出します。あ、飛び出すというのはあくまで比喩ですので。プラットホーム~歩道間の横断歩道に信号がないので、横断の際には飛び出し厳禁です。こんな悪条件の中ですが、到着証明のために写真撮影だけは欠かせません。防塵防滴仕様のカメラ・レンズはこういう時に頼もしいもので。


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 乗車ホームには先行していた電車が停車中。頻発運転なので1~2本落とす手もありましたが、クロスシート付きということで乗ってきた電車でそのまま折り返すことにします。


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 当電停とその周辺は、市東部の交通および商業の要衝地。行政区としては熊本市の5区のうち人口最多である東区に属しており、区役所もここから徒歩圏内です。電車を降りたすぐ傍にはアーケード商店街があり、下の写真はそのアーケードの入口および信号待ちのあいだ前方の人垣を風除けに使っています、の図。


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 乗車ホームへ移動し、折り返し準備中の9704A+Bをつかまえます。ターミナル的性格を帯びる電停ということで、熊本市電各停留所の乗降客数では年度によって順位が入れ替わる通町筋・熊本駅前に続き、不動の第3位。


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 始発なのですんなりクロスシートを確保し、文字通り腰を据えてという感じでまた30分掛けて都心方向へ戻ります。因みに健軍町から北への延伸構想がかなり具体化しているという好事もあるのですが、現行の所要時間+αであることを考えると祝言も一瞬言い淀んでしまうもので。沿線の学校の学生の流動が双方向であるほか、路線のほぼ中間地点に新水前寺駅前という拠点停留所があったりもし、車内の動きが終始激しいという印象を持った乗り潰しの第1セクションでした。


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 B系統ならばそのまま終点の上熊本駅前まで乗り通すつもりでしたが、A系統だったので熊本電鉄藤崎宮前駅の最寄り停留所である通町筋にて下車します。(次回へ続きます)

(2022.07.04)

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