22/10/04 (2)あいち2022 Part1【愛知芸術文化センター】
オープニングイベントを終え、丸3日間にわたるハードスケジュール(←ちっとも懲りてない)の幕が上がります。『あいち2022』の会場は ①栄(名古屋) ②一宮 ③常滑 ④有松(名古屋) の4箇所(※前回は名古屋都心部の3会場及び豊田会場)。全て名鉄沿線にあるため、いったん名駅を離れる前にまずは名鉄名古屋駅の有人窓口にてトリエンナーレの観覧チケット(73日間の会期中のフリーパス)と名鉄の2日間全線フリー乗車券のセットを入手しておきます。販売価格はバラで買うと7,000円のところが5,520円。これに名古屋駅~栄間の名鉄バス2日間フリー乗車券、ミューチケットの110円割引券2枚、一宮・常滑の駅ビルで使えるクーポンといったオマケが付き、総括券込みで8枚という束が発行されました。私は想定とは違うちょっと変則的な使い方をするため、名鉄のフリーきっぷの有効日は明日・明後日に設定。今日使うのはトリエンナーレのフリーパスの引換券のみです。にしてもいい値段ですねェ、常滑と有松のブースト・パワーをもってしてもなお躊躇してしまいましたから。
今回は名駅を拠点にして動くために駅から徒歩圏内にホテルを取っており、まずはここへ荷物を預けて身軽に。すぐそばの停留所から市バスに乗車し、栄へ向かいます。
前回訪問時はリニューアル工事中だった久屋大通公園も、2020年に再オープン。オシャンティーな商業施設が軒を連ねるさまから渋谷の宮下公園(現・MIYASHITA PARK)を連想しましたが、本当にそのような感じのようです。
名鉄名古屋駅できっぷ売り場を探し回る&名駅の地下街で道を間違えるという具合にモタついたりもしましたが、それでも10時15分と大きく遅れることなく到着。思えばこの芸文、名古屋へ来る度に毎回訪れていますね。ダラダラと残暑の続く今年らしく本日の最高気温は28度前後という予報ですが、明日明後日にかけて下がっていくとのこと。ただ、3日とも好天にはならないようです。
さっそく展示作品の紹介に移っていきたいところではあるのですが…… まず結論から申し上げると今年は一応4会場すべてを周れたものの、悉く刺さらんかったなぁと。現代美術一般に対するスタンスとして着眼点さえ面白ければ作品の質の高低なぞどうでもいい(そこまで関心も審美眼も持ち合わせていない)のですが、それにしても…という印象。2019年版は良くも悪くも制作意図・表現手法が解りやすかったのですが、難解というのはまた違うでしょうし、「無味無臭」「毒にも薬にもならぬ」、或いは「常套句の再生産」とでも言うのか。とりわけ芸文には後述の一宮・常滑・有松のように展示空間のバリエーションという楽しみがありませんし。一部ではあるものの写真には収めてきたのでいつものように貼っていきますが、いっその事このセクションはばっさりカットしようかなと考えた程度にはキーボードを叩く気力が湧かないので、作品の説明に関しては公式サイトに丸投げしておきます(こちらのリンクから。[会場別]→[愛知芸術文化センターほか]とクリック/タップしていくとアーティスト別(ABC順)の一覧が出てきます)。
-以下、前回(2019年)のトリエンナーレの観覧記録です。-
あいちトリエンナーレ2019 Part1【名古屋市美術館】
あいちトリエンナーレ2019 Part2【愛知芸術文化センターI】
あいちトリエンナーレ2019 Part3【愛知芸術文化センターII】
あいちトリエンナーレ2019 Part4【四間道・円頓寺エリアI】
あいちトリエンナーレ2019 Part5【四間道・円頓寺エリアII】
-ここまで-
▲河原 温/On Kawara「I Am Still Alive」
〔コメント:約900通の電報のシリーズに打たれたこの文言が今回のトリエンナーレのテーマ〕
▲ローマン・オンダック/Roman Ondak「イベント・ホライズン」
〔コメント:1917~2016年の歴史的な出来事を刻印した100枚のオークの木の幹のピースが1日1枚壁に掛けられていき、会期終了の10月10日に全ピースが壁へ移動します。この日は10月4日だったので残りは6枚〕
▲奥村 雄樹/Okumura Yuki「7,502,733」
※大部屋全景
▲和合 亮一/Wago Ryoichi「詩の礫 2022」
〔コメント:東日本大震災・コロナ禍・ウクライナ侵攻当時の本人のツイートで構成された展示〕
▲リタ・ポンセ・デ・レオン/Rita Ponce de León「人生よ、ここに来たれ」
〔コメント:中南米の楽器を基にした作品。実際に傾けて音を出すことが出来ます〕
▲リタ・ポンセ・デ・レオン/Rita Ponce de León「魂は夢を見ている」
〔コメント:自由に配置出来る木琴の音板それぞれに言葉が刻まれており、創作した詩と音楽が共鳴するという作品〕
▲パブロ・ダヴィラ/Pablo Dávila「転移の調和」
▲アンドレ・コマツ/André Komatsu「失語症」
▲カズ・オオシロ/Kaz Oshiro「Orange Speaker Cabinets and Gray Scale Boxes」、ほか
〔コメント:本物ではなくキャンバスに描かれた絵画だとか〕
▲ジミー・ロベール/Jimmy Robert「反復」
▲足立 智美/Adachi Tomomi「MAVOtek 第五部」
▲大泉 和文/Oizumi Kazufumi「可動橋/BH 5.0」
〔コメント:一定間隔で上げ下ろしを繰り返す跳ね橋です。渡るだけで貴方もパフォーマー!?〕
▲横野 明日香/Yokono Asuka「瀬戸の風景」
▲うら あやか+小山 友也/URA Ayaka+KOYAMA Yuya「勝手に測る、挟まる、抜け出す」
〔コメント:“意識高め”のおしゃべりです〕
10Fを一通り巡り終えたところで11時15分。ちょっと早めですが、店が混まないうちにランチを済ませてしまいましょう。ということでこちら↓の作品が展示されているB2Fを経由し……
▲小野澤 峻/Onozawa Shun「演ずる造形」
芸文隣のオアシス21へ移動します。
名古屋へ来たらやはり八丁味噌を使った料理を味わいたいもので、味噌田楽がいただける『鈴の屋 オアシス21店』へ。注文したのは「菜めし田楽定食」(税込1,155円)です。店内は女性比率・中高年比率高め。菜めしと赤だしはおかわり自由なので、男性でも量的にひとまず満足は出来るのではないでしょうか。田楽は大変美味しく頂いたものの今回は旅の初っ端から胃腸の調子が今ひとつなので、珍しくおかわり分の菜めしを半分ほど残してしまいました。普段はお残しなんてしないのですけれどね、育ちが良いもので。
人気店らしく外まで溢れている順番待ちの客を尻目に、芸文へUターン。続いてB2Fのもう一つの展示↓をチラッと覗いたのち……
▲縄(愛知県芸チーム initiated by 奈良美智)/Nawa (Aichi Kengei Team initiated by Nara Yoshitomo)「複数の荷役された三英傑像」、ほか
8Fの展示作品群を観ていきます。入口にある椰子の木の鉢植えも展示の一つ。
▲マルセル・ブロータース/Marcel Broodthaers「美術館の入口」
〔コメント:「ギャラリーの外側と内側の両方にまたがってヤシの木を展示することで、『日常』と『美術館』の境界を曖昧化して」いるとか〕
▲ディムート・シュトレーベ/Diemut Strebe「エル・トゥルコ」
▲笹本 晃/Sasamoto Aki「リスの手法:境界線の幅」
〔コメント:こちらは作家本人によるパフォーマンスの舞台装置にもなっています(動画参照)〕
▲リリアナ・アングロ・コルテス/Liliana Angulo Cortés「パシフィック・タイム/民衆が諦めたりするものか!」「Still Hair:アフリカ系住民のコミュニティでの髪型とケアの実践の伝統に関する共同プロジェクト」
▲クラウディア・デル・リオ/Claudia Del Río「生きる工夫」
〔コメント:観覧者参加型の展示。場所柄、案の定“意識高め”の落書きになっていました〕
▲ミルク倉庫+ココナッツ/mirukusouko (Milk Warehouse)+The Coconuts「魂の錬成」
〔コメント:展示の本体は吹き抜けを貫く雨水の配管なのですが、支柱と足場ばかりが目立つ…〕
▲小寺 良和/Kodera Yoshikazu「バクダン」
〔コメント:一見すると人工物には見えない、有機的な造形のユニークな陶芸作品。今回のトリエンナーレのわたくし的ベストアーティストはこの方でしょうか〕
▲荒川 修作+マドリン・ギンズ/ARAKAWA and Madeline Gins「問われているプロセス/天命反転の橋」
▲荒川 修作+マドリン・ギンズ/ARAKAWA and Madeline Gins「PINK」
▲メアリー・ダパラニー/Mary Dhapalany「編み地のマット」「編み地の包み」
〔コメント:オーストラリア先住民(アボリジナル)の伝統的な技術によって制作〕
▲クラウディア・デル・リオ/Claudia Del Río「率直さ、不安、そして内緒話」
映像作品に関しては時間の都合でまるっと飛ばしてしまいましたが(※この後に訪れる3会場でも同様)、13時20分頃に愛知芸術文化センターでの観覧を終えました。今日のうちに一宮会場の観覧も済ませてしまうので、すぐに移動を開始します。
<一宮会場編へ続く>
(2022.10.04)
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