22/10/05 (5)名鉄竹鼻・羽島線【笠松⇔新羽島(往復)】~2日目終了
2日目最後のイベントは、名鉄羽島線の乗り潰しです。こちらは今朝の梅坪-猿投4.2kmよりも一層短く、江吉良(えぎら)-新羽島間はたったの1駅1.3km。その為だけに名古屋から更に1時間弱を掛けて美濃国…いや岐阜県まで足を延ばすという、まあいつも通りの奇行となります。
▲名鉄東岡崎駅プラットホーム
電車の乗り継ぎポイントである笠松までは快特・特急で約1時間を要するので、ここは2枚あるミューチケットの割引券の使いどころ。券面には正価の360円(大人・小児同額)と記載されていますが、実際に支払ったのは110円引きとなる250円でした。日中は名鉄岐阜行きと新鵜沼行きが交互に運転されており今回は直通便利用でしたが、乗り継ぎ便の場合もミューチケットは同額なので負担は乗り換えの手間のみです。
東岡崎16時06分発の特急名鉄岐阜行き。車両は1200系で、名鉄岐阜・新鵜沼方面行きの場合は展望席は最後尾となります。パノラマ○○と称する車両は最早こちらの1200系パノラマsuperしか残っておらず(後輩の1700系は昨年に運用を終了)、名古屋本線内ですら2200系の勢力拡大により'90~'00年代ほどの存在感はもうありません。ただ、引退の足音が聞こえてくるのはまだ当分先のようで、中期的な体質改善を目的としてインテリアは一般車・特別車ともにリニューアル。特別車に関してはシックなカラースキームが気に入りました(欲を言えば床面はリニューアル前のようにカーペット敷きの方が…)。座席も2000系ミュースカイ及び2200系に準じたものに交換されており、シートピッチは1,000mmとJR在来線特急普通車の標準以上。以前は何故か無かった背面テーブルも使えるようになりました。4列シートながら京阪のプレミアムカーにはないデッキやトイレ・洗面所も設置されていて、このアコモデーション+着席保証で360円均一というのは全国レベルでも際立ってお買い得ではあるものの、とは言え運賃が割高ですからね。ミューチケットの英訳がFIRST CLASS CAR TICKETとなっていますが、欧州の近郊列車における1等・2等の区別とは異なりこちらは明確な格差があるため、コスパという点では特別車利用と一般車利用とでは随分と印象が変わってきそうです。個人的には乗車時間30分が両者の利用の分界点かなと──そもそも名鉄に乗らないに越したことはないは禁句。
JRの新快速・快速と互角の名古屋-豊橋間に対し、先述したように名古屋-岐阜間は事実上同じ土俵に立っていないため、現在は真っ向勝負を捨てて主要駅から細かく拾い上げていく戦略に変更。とりわけ名鉄一宮-名鉄岐阜間は快特・特急も急行と同じ停車駅となってしまいました(朝の一部の上り特急のみ、新木曽川または笠松のいずれかを特別通過)。尤も、今回の笠松までの乗車はその停車駅増加の恩恵を受ける形。下の写真は16時54分着の名鉄一宮で、昨日乗車した16時58分発の尾西線津島行きがホーム向かい側に停まっています。昨日は一応名古屋への帰路だったものの、今日はこれから「目的地」へ向かうところ。明日の朝のスタートはやや遅めなので、名古屋へ戻ってくる時刻はあまり気にしていませんが。
東岡崎から56分。仮に正規料金でもしっかり元を取った感じで17時02分、笠松に到着です(※終点の名鉄岐阜まではあと5分)。ここでホーム向かい側に停車中の17時10分発普通新羽島行きへ乗り継ぎ。笠松-江吉良間は廃止区間を含めて完乗済みの竹鼻線(たけはなせん)を辿ります。名古屋本線と竹鼻線がハの字に分岐しており、本線側の電車がカントで大きく傾いて停車する様子から、京阪の中書島駅をやや小ぶりにしたかのような印象を受けました。
現在の時間帯は2両編成・運転間隔は15分おきと、昨日の尾西線と条件は同じ。あちらとは対照的に名鉄岐阜直通電車もあるほどに県都とのリンクが緊密な路線なのですが、始発駅時点の乗り具合はどっこいどっこいといった所でしょうか。不可思議にもかぶりつき席だけが1席ポコッと空いていたので、有難く座らせてもらいます。
相変わらず農地は多くとも、尾西線よりは心なしか建物の密度が高いような気がする沿線風景。最後の最後でまた天気が持ち直してきました。
昨日のような長い交換待ちはなく順調に進んでいき、竹鼻線と羽島線の境界駅である江吉良に停車。右カーブが羽島線新羽島方面、そして直進方向は2001年に廃止された竹鼻線大須方面の廃線跡です。
大須駅の跡地はこの↓場所。こちらもほぼ一面田んぼばかりの場所にポツンと不自然に存在する終着駅ということでインパクトが大きかったため、乗車体験を確かに覚えています。運転頻度は基本的に毎時2本で、笠松方面への直通は新羽島発着系統に譲ってこちらは原則として羽島市役所前駅(=江吉良から一つ笠松寄りの駅)を始発・終着とする形態になっていました。
羽島線は1982年に開業した新線らしく、竹鼻線との(嘗ての)接続部分付近を除いて高架化されています。直ぐに東海道新幹線の高架が左手から近づいてきて──
笠松からは22分、羽島線内に限っては僅か3分で終点新羽島に到着。時刻は17時32分と、昨日に引き続いてまたもや図ったかのように日の入り時刻ぴったり(名古屋市基準)でした。
結構な長旅だったのですぐには折り返さず、一旦駅の外へ出てみます。東海道新幹線の岐阜羽島駅が隣接しており建前としては新幹線が通っていない岐阜市および同都市圏からの連絡路線ということになっていますが、現実的には岐阜駅から快速系統で20分の名古屋駅利用が主流、若しくは博多・鹿児島中央方面ならば米原駅乗り換えが候補になる程度で、あくまで竹鼻線の延長線上としてのローカル輸送がメインのようです。
鮮麗な夕焼けが本日のフィナーレ。駅前につきもののムクドリの大群がここでも暮れゆく空を飛び回っていました。
こうして羽島線を乗り終え、名鉄の未乗路線も残すところあと1路線。名古屋市内ではあるものの路線の性質上乗りに行くとすれば明日の夕方に回すことになりますが、それもトリエンナーレの時間配分次第です。
名古屋駅までは新幹線に乗れば10~11分(概ね毎時2本)ですが、別に急ぎでもないので来た道をのんびり引き返します。1,460円(乗車券+新幹線自由席特急券)払って素早く移動するか、780円で済むものの1時間弱を要するルートを往くか。今回のようなフリーきっぷ利用でなければそれなりに悩ましい選択です。帰りの笠松行きは、集団離反式の固定クロスシートを装備したセミクロス車(6800系6825F)。何となく路線バスに乗っているような感覚です。沿線概況は上記の通りとはいえ、夜の車窓でここまで灯りが少ないとは……
乗り継ぎ先の快速特急豊橋行き(2200系)。名鉄名古屋までは24分と自分基準に満たないので一般車利用となります。とはいえ名岐間はJRが圧倒的に有利なので夕ラッシュ時でも案外笠松到着時の乗車率には余裕があるのでは、と踏んでいたところ、これがビンゴで転クロの窓側席をあっさり確保。今朝は諸々のストレスでそれどころではなかったアコモデーションを、座り心地込みでじっくりと観察します。半数の区画がロングシート且つ初期に投入された編成を除いてクロスシートが2+1配置で座席定員が少ないのは混雑時の立ち易さを考えればプラスにもマイナスにも取れる一方、やはり全体的な見栄えに関しては特別車のそれを一般車仕様に上手く落とし込んでいる1200系と比較すれば明らかにグレードが下がっていますね。窓のカーテンは省略されていますし、ラッシュ時の増結車両にしても基本編成とエクステリアもインテリアも揃えていた1200系時代のこだわりは無く(*注)、編成美にも欠けます。ミュースカイと並び今世紀中盤までの名鉄の顔を担う車両としては完成度は物足りないと評さざるを得ないでしょうか。
*注:2両編成のユニットをセミクロス・ロングの区別なく無作為に連結。
例の枇杷島分岐点は快速特急様ということで(※仮説です)、ラッシュ時ながら信号待ちはなくスムーズに通過。ただ、こちらもエターナルな前後の連続カーブ区間が解消されない限りは、JRとのガチンコ勝負も夢のまた夢です。名鉄名古屋へ戻ってきたのは18時46分。昼食がやや早めだったのと胃腸の調子もひとまずOKということで、夕食は空きっ腹にはもってこいのアレを……!
写真で撮るとちっとも美味しそうに見えないのが毎回困る、ジャンボな味噌カツです。事情があって店名・メニュー名は省略するものの、とりあえず「矢場とん」ではありません。カツを八丁味噌にジャボンとくぐらせるのがポイントで、逆に言えばこれが家で実現できるのならばわざわざ外で食べる意義も薄くなるのですが。矢場とんでよければ大阪にも複数の店舗があるので最早ご当地グルメですらありませんが、これもまた訪名の際の儀式のようなものです。
そしてホテルへ帰還。コーヒーを部屋に持ち帰るのは面倒臭くなったのでコンフォートライブラリーカフェで飲むことにしたところ、名古屋らしく常滑焼のカップが用意してありました。この日は電車内にいる時間が長かったので歩数カウントも控え目かと思いきや、意外に前後の日と遜色がなかったです。というわけでRAIL & WALK & SIGHTSEEINGな2日目終了。
今日の歩数カウント:15,362歩
(2022.10.05)
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