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2022.11.23

22/10/06 (2)あいち2022 Part4【常滑会場II】

「廻船問屋 瀧田家」から坂を上がった先にあるのが、常滑・やきもの散歩道のランドマークの一つである「土管坂」。両側に堆く積まれているのは土管と焼酎瓶です。話によると出荷前に品質検査で不合格になった物を擁壁代わりに再利用しているそうで、それだけ当時は歩留まりが低かったということになりますね。今日はこの3日間で最も過ごしやすい気温ながらもまたほぼ一日中曇り空だったのですが、晴れた日の夕方ならば文字通り郷愁(ノスタルジア)を絵に描いたような情景が見られる場所。初めてここを訪れた時のその胸を打つ体験を生涯忘れることはないでしょう。


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 続いて登窯広場方面へ。土管坂の辺りから漸く四半世紀前の記憶が戻ってきました。勿論、当時は沿道に今のようなお洒落なショップが数多く並んでいたわけではないのですが。


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 広場のすぐ横にあるのがもう一つのランドマーク、明治20年頃に築かれて昭和49年に操業を停止した登窯(陶栄窯)。周囲を一周できる歩道を進めば、1分程度とごくごく短いながらもちょっとした遺跡探検のような気分を味わえます。こちらは焼成室が8室という大型のものですが、明治末期には登窯が常滑に大小合わせて約60基も存在したのだとか。今こうして呑気にノスタルジーに浸れるのもそれらの旧式の窯の火が遍く消えたからこそで、陶都として富んだ町の実情は現代の水準からすると非人道的とすら呼べる、煤煙まみれの生活環境であったということです。


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 駅から一番遠い場所までかなり南下し、元製陶所のギャラリーカフェ・「常々(つねづね)」(下1枚目の写真)へ。ここの展示作品は愛知県産の陶製人形「ノベルティ」を主題にした21分の映像(田村 友一郎/Tamura Yuichiro「見えざる手」)なので、冒頭をチラッと見たのみでまた北方向へ戻ります(同2・3枚目)。


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 こちらは本トリエンナーレとの連携企画(→詳細はこちらのリンクから)。3階建ての木造骨組みは新時代における建築を模索する試みとして、東アジアの伝統建築に倣い金属部品を一切用いずに組み上げられているとか。


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 さらに先へ進むと……


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 近年は至る所で遭遇する、長屋を改装したカフェ・ショップ群がありました。ここで早めのランチというのも良さそうだったのですが、有松にお目当てのお店があるので今回は見送り。昭和47年まで陶器を焼いていた窯(下2枚目の写真左)の向かい側では、現在はパンを焼いています。観光地としてはそれなりに有名ながらも休日はともかく平日は相変わらず静かな常滑の町ではありますが、2022年に再訪してみるとやはり良い意味で浦島太郎になっていました。


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 旧青木製陶所。下2枚目の「泥の雨」(フロレンシア・サディール/Florencia Sadir)は、常滑の土を焼いて作られた1万2千個を超えるボールをカーテン状に吊り下げたインスタレーション作品です。


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 常滑駅を出発して2時間、散策コースも終盤に。


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 最後の展示会場、「旧急須店舗・旧鮮魚店」。


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▲尾花 賢一/Obana Kenichi「イチジクの小屋」


 切り通しを橋で渡って(下1枚目の写真)もうしばらく北上すると、常滑市陶磁器会館(同2枚目)に到着です。やきもの散歩道からはやや離れた場所にある「INAXライブミュージアム」もトリエンナーレの展示会場の一つになっているのですが、バス移動が必要ということでスキップ。常滑会場の観覧はこれで終え、常滑駅へ戻ることにします。感想としては栄・一宮と同様に微妙なところですが…… そちらはこの後の有松会場編にてまた総括を。


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 有松駅へ向かうべく駅到着後に乗換案内アプリで調べてみると、出発は12時21分と20分近く待たされるうえに接続が悪く、有松到着は13時11分の予定。最後の2駅間以外は優等列車での移動にも拘わらず38.8kmに50分も掛かるのかとビックリしましたが、これには複雑怪奇なダイヤを組む名鉄ならではのよんどころない事情が。


 名鉄岐阜行きの特急電車に乗車。データイムのミュースカイが運休中なので(※11月19日より全便の運転を再開)特別車は通常より混雑していそうでしたが、乗り換え駅の神宮前までは25分ということで(←飽くまで30分のラインに固執している)一般車利用につき無関係。座席はセントレアからの乗客できれいに埋まっていたため、運転台の後ろで前面展望に興じます。因みに2200系にはかぶりつき席は無し。この辺りも当形式の気に入らないポイントの一つです。積年のパノラマへの拘りはいずこへ?


 前面展望の様子。常滑散策を終えた正午過ぎから小雨が降り出したので、フロントガラスに水滴が付いています。四半世紀前の前回は急行運用のパノラマカーの展望席より線形改良前の前面展望を眺めましたが、このカーブだらけのせせこましい路線に於いてよくぞ名古屋駅~空港間で30分を切る電車を走らせられたものだと、改めて感心せずにはいられません。貫通型のミュースカイに合わせて非貫通型ながらフロントマスクをわざわざ貫通型に似せるという珍しいデザインを採用していますが、こうして内側から見てみたところ、総合的には洗練されたエクステリアとは裏腹にあまりに造作がないので唖然としてしまいました。


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 神宮前では急行豊橋行きに4分接続。僅か8分で乗り換え駅の鳴海に到着し、待避線にて後続の快速特急の通過待ちをします。急行が出て行くと本笠寺で急行&快特のダブル待避を行っていた普通(前記の通り2両の可能性もありましたが、今回は“常識的に”4両でした)が入れ替わりに待避線へ入線。こちらは神宮前を急行豊橋行きの8分後に出た急行吉良吉田行きとの連絡を行ったのちの発車となります。──これもまた初見殺しのパズルのようなダイヤですが、要点は最初から吉良吉田行きに乗ればよかったということで、「吉良急(キラキュー)」という愛称が存在するらしいこの列車、本来の名古屋都心~西尾線内間連絡以外にも ①15分間隔の本線快特・特急のちょうど間を埋めるように走る・②名鉄名古屋・金山・神宮前~知立・新安城間で先着(逆に名古屋本線系統の急行は一部の時間帯を除き先着はしない)・③途中駅での普通との接続も良好、と好条件が揃っているために名古屋本線内のみの利用が多く、その割に編成が4両と短いため、特に夕方には混雑率が目立って高くなる列車として有名なのだそうです。尤も、吉良急が便利というよりは名古屋本線系統の急行が不甲斐ないだけという気はしますが。抜かれどころが悪いばかりに本線快特・特急(の一般車)が必要以上に混む原因にもなっていますし。


 以上の理由から仮想的には神宮前で12分待ったということになり、名古屋市内にしてはやっと、という感じで有松に到着です。(次回へ続きます)

(2022.10.06)

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