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2022.11.03

22/10/05 (1)2日目開始~名鉄三河線(山線)【知立⇔猿投(往復)】

 2日目は午前5時40分起床。12階の窓から外を眺めてみれば(下1枚目の写真)、やはり予報通りの曇り空です。今日は常滑・有松会場の休館日なので、トリエンナーレ観覧の方は一旦お休み。名鉄の2日間全線フリーきっぷ(下2枚目の写真。自動改札機も通れます)の1日目を使い、未乗区間の乗り潰しを中心に過ごす予定です。


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 7時半頃に名鉄名古屋駅を出る電車に乗車するので早めに前記のコンフォートライブラリーカフェへ赴いたところ、フライングはよくあることとはいえ6時半のオープンをちょっぴり前倒しして入れてもらえました。こちらのホテルの朝食ビュッフェは無料…というか、全プランに自動的に付いてくる形式ですね。品数はそれほど多くはないものの、一つ一つがしっかり作ってあって質量ともに十分満足。家庭料理のような優しい味わいでした。2種類用意してあるスムージーはコンフォートホテルの名物らしく、こちらも美味しかったです。


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 なお、繁忙日に役立つ情報として朝食会場の混雑状況が客室のテレビで確認できるようになっています。


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 ホテルを出発。まずは名鉄三河線の北半分、通称「山線」の末端部分である梅坪-猿投(さなげ)4.2kmを片付けるために、名古屋駅から約1時間を(も?)かけて猿投へ向かいます。名古屋都心部から梅坪・豊田市へは名古屋市交鶴舞線~名鉄豊田線ルートが主流となっていますが、名古屋駅からならば名鉄名古屋本線~三河山線ルートでも所要時間はほぼ同等。また名鉄のフリーきっぷ使用ならば名古屋市交区間の運賃も不要なため、豊田線は完乗済みということもあって往復とも三河山線全線を経由することにしました。


 7時32分発の特急豊橋行き(一部特別車)に乗車。乗り換え駅の知立(ちりゅう)までは21分と短いので特別車利用という選択肢はなく、よそ者ならばテツですら緊褌一番を余儀なくされる初見殺しな一般車乗車ホームにて電車を待ちます。見た目こそ混沌としているようでも実際には極めて秩序立っており、これだけ“高度に”訓練された乗客だからこそ破綻をきたさずに駅機能を維持出来ているわけですが、写真でお見せしようにも流石にこの朝ラッシュの中では一眼どころかスマホカメラすら使う気にはなれませんね。このさき三河山線内まで混雑が続いたため、しばらくは文字のみとなりますのでご了承を。ここも1980年代後半に大規模な改装工事が実施されて以来ほぼ当時のままなので、2022年基準では全体的に古びた印象。とうとう実現する2線から4線への線増も当初の計画より遅れる見込みのため、面目一新の機会はまだまだお預けです。


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▲降車/特別車乗車ホームから眺めた岐阜・犬山・津島方面の一般車乗車ホーム(翌朝9時頃撮影)


 やって来た車両は初乗車となる2200系。特別車寄りの車端に乗り込むと貫通扉越しに車掌の背中が見えますが、これは特別車から一般車へ乗り込む流れを堰き止めている模様。JR新幹線・特急の指定席車両→自由席車両と同様、しょうもない猿知恵を働かせる輩は後を絶たないですね。名古屋から離れていく方向ですが着席のチャンスは訪れず、また今朝は昨日より胃腸の調子がさらに悪化していることもあり、楽しい乗り鉄の筈がかなりのストレスを抱えながらのスタートとなりました。豊明-富士松間で境川を渡ると旧尾張国から旧三河国へ入るため、この短い乗車の間にも意外と空気が変化。摂津・播磨・淡路・丹波・但馬の寄り合い世帯である兵庫県民ですので、この感覚に関しては敏感です。


 高架化工事中の知立に到着。次の8時05分発普通猿投行きまでは12分とやや空くものの、三河線ホームへ移動するとすぐに電車が入線してきました。名鉄名古屋を特急の4分後に出発する急行豊橋行きも2分で接続するのですが、工事中の仮設階段・通路が狭くて流れが詰まりがちなため、確実に乗り継げるかどうかは微妙でしょうか。この猿投行き、旅客案内の上では当駅始発の扱いではあるものの、実際には碧南始発の知立行き「海線」電車が乗客を乗せたまま行先を変更するもの。特別停車・特別通過や途中駅での種別・行先変更は名鉄の様式美ないし伝統芸ですね、イマドキは乗換案内サービスで検索して乗車するのが普通になり、一昔前までほどにはこの「予定された気まぐれ」に余所者が翻弄されることも無くなりましたが。閑散時間帯は2両のところを4両編成で運転されていますが、海線区間からの乗り通しが案外多く、こちらの電車でも席にはありつけず。同じ制服を着た高校生グループならばそのうちまとめて降りるじゃろ、ということで、その彼女達の前に立っておくことにします。最初はどうせ立つのならばかぶりつきを…と思ったのですが、何故かこの車端の空気が異常に澱んでおり、ただでさえよろしくない体調が一段と悪化するのは必至だった為にたまらず退散しました。ああマジで辛い…… フリーきっぷとは言え運賃を支払って乗っているうえに目指す駅に用があるわけでもない、そして車窓はどこまでも平凡、とどのつまり客観的には徒労以外の何物でもないわけで……


 既に「要塞」が立ち上がりつつある知立だけでなく、公共交通での通勤・アクセスを推し進めたいトヨタの意向により、名鉄線内で現在最も活発に複線化・立体化が進捗しているのが三河山線の知立-豊田市間。対名古屋のメインルートである鶴舞線~豊田線は普通列車のみながら意外に早いものの、岡崎市・豊橋市・一宮市を人口で上回る県下第二の都市としてはリンクが少々貧弱に感じられるのもまた事実。本ルートの強化により、名古屋駅・中部国際空港や県内各都市からの鉄道アクセスが大幅に改善される見込みとなっています。費用に関しては実質トヨタ持ちですし、用地取得の方も線路際が農地となっている区間が多いので障害は比較的小さそう。豊田市駅の近くではそのトヨタの関連・下請け会社の工場や事業所が沿線にも目立っていました。とはいえこうして車窓に気を配る余裕が生まれたのもラッシュが終わった復路でのことで、往路は吊り革に無心でぶら下がり、高校生が降りて席が空いたのちも目を閉じながらこの混雑が過ぎ去るのを待ってと、ミスチルの某曲ではありませんが、こりゃ何の修行だ?十月、ですよ。


 豊田市でようやく混雑から解放。隣のホームには終日6両編成の豊田線電車が待機しています。名古屋都心部の伏見までは46~48分(赤池での時間調整の有無によって若干幅あり)と、「意外に」早いだけでやはり改善の余地は大きい現状です。ほぼ同じ時間で名古屋-豊橋間を在来線で移動できてしまうわけですし。


 梅坪からはようやく辿り着いた未乗区間。中途半端に乗り残すと後々こうして事後処理に追われる羽目になるという教訓です。猿投到着は8時39分(知立からの所要時間は34分)。直近の8時47分発の電車で折り返すのは早すぎるので、一本後の9時01分発を選びました。ホームと駅舎は構内踏切で連絡しており、ちょっぴりローカルムードも漂っています。


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 猿投駅の駅舎と駅前の様子。この先には「塩の道」中馬街道の宿場町である足助(あすけ)と東海地方を代表する紅葉の名所である香嵐渓(こうらんけい)がありますが、公共交通利用にしてもバスへの乗り継ぎポイントは浄心・豊田市・東岡崎各駅(紅葉シーズンには八草からも臨時便)が推奨されているため、純然たるコミューターの駅となっています。


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 なお、名鉄名古屋-猿投の運賃は知立経由で880円。使用中のフリーきっぷは一日当たり2,000円分乗車すれば元が取れるので、この調子ならばあっという間ですね。尤も、日常的なユーザーにとってはそれだけ運賃が高く負担がずしりと重いということでもあるので、“儲け”を積み増ししていくかたわらで(ヨソからつまみ食いに来ておいていい気なもんだ)という自嘲も忘れないようにしたいもの。まあ、関西の大手私鉄でも運賃が安めなのは阪急阪神と京阪の長距離くらいなもので、あとは名鉄と五十歩百歩ではありますが。


 猿投-西中金間が2004年に廃止になったのちも数百メートルのみながら線路が残されているので、駅を出て見に行ってみました。猿投駅に併設された車両基地が豊田市・知立方面からは入出庫できない構造になっており、スイッチバックのためにこの区間が残存しているというわけ。丁度訪れた時に電車が入庫を行っている最中でした。


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 電車が去った後に西中金方面を眺めて。上述のように営業当時から観光地アクセスとしての利用価値はなかったので、その点はまだ救いであったかなと。


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 ここからは次の目的地の蒲郡まで2時間トイレを使えるチャンスがないため(あっても乗り継ぎ駅でほんの数分)、駅の清潔感の無いトイレ(これは先刻予定外に使った名鉄名古屋も同様…)で絞り出しておきます。準備ができたら再び構内踏切を渡り、知立行き(ホントは碧南行き)の電車の許へ。


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 駅名標を入れて。ローマ字のSANAGEを仏語風に「サナージュ」と読んだならば、心なしかお洒落な土地に思えてきたりも…?


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 ラッシュが終わったので、ホーム上で4両編成(2両×2編成)の切り離し作業を行ったのち、豊田市・知立側の2両のみが9時01分発の電車として出発します。隣の車両基地へは豊田線の6両編成の電車が回送として入出庫するほか、稀にこの界隈では普段は見られないレアな車両がやって来ることもあるとか。


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 朝食直後を含めると3回目のお通じが功を奏したのか(度々失礼)、ロングシートとはいえ復路は車内環境的にも体調的にも往路の苦悶が嘘のような快適さ。同じ景色を特別車のリクライニングシートから眺められる近い未来を想像しつつ、39分(※豊田市にて5分停車するため)かけて知立へ戻ります。次回は西蒲線編。

(2022.10.05)

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