小ネタ3題'23春【おおさか東線全線乗車/奈良線複線化/京阪間はるか】
湯浅・黒江再訪のデイトリップから約1週間後。主にうめきた新駅関連でやり残したことを回収すべく、再び小旅行に出掛けました。当日の早朝に急遽思い立ったので若干出遅れてしまい、今日はもう行って帰って来るだけでいいかな、ということで、コースが一筆書きで結べることもあり必殺・大回り乗車で周ることにします。なお、今回は分割せずに1本のエントリーにまとめてしまうので、1万1千字の長文です。
JR宝塚線の快速電車で大阪駅高架ホームへ到着。先日のエントリーで述べたように、今日は乗り換え時間の計測のために脇目も振らず地下ホームへ早足で向かいます(結果は4分20秒)。乗車するおおさか東線の普通久宝寺行きは、発車時刻までにはまだだいぶあるものの既に入線済み。同線の車両は臨時列車以外はすべて221系ということで、写真は先日のものを再掲しておきます。
電車は大阪出発時点では案の定ガラガラ。21・24番ホームと違って発車メロディは流れず静かに発車していきましたが、本来はこれでいいんですよね。これ以上はない位の今更ではあるものの、だってあれ、事実上の「駆け込み乗車促進メロディ」でしょう? ジェントルサウンドサービスなどと宣っていた阪急ですら、近年は宗旨替えをしたのか複数の駅で新規に発メロを導入していますし。なお、単線の南側に対して、こちらの北側は完全複線区間です。地下区間が南側より北側の方が明らかに長いというのは名鉄名古屋駅のようでもあり。こちらも地上へ出てすぐに既存の線路へ合流し、左カーブを描いたのちに淀川橋梁の直前でJR京都線の線路の西隣に張り付きます。旧線にあった踏切は廃止となったため、増発への受け入れ態勢は万全。
5分で新大阪に到着(※時刻表上はJR京都線の大阪~新大阪間よりも1分遅い模様)すると、ここからどっと乗客が乗り込んできました。新幹線・メトロ御堂筋線接続も勿論ですが、大阪以西から/への乗り換えの場合もJR神戸線~JR京都線をスルー運転する列車ならば新大阪で乗り継いだ方が遥かに楽ですので、現状だと地下ホームの利用はおおむね大阪駅自体が出発地・目的地の場合に限られるということでしょう。今春からJR淡路駅が直通快速の停車駅に加わりましたが、この電車への乗車も新大阪と並び同駅でのものが目立ちました。いやしかし、北半分の区間は旅客開業から丸4年、COVID-19が小康状態になってから1年も経たないというのに、すっかり利用が定着しており感心するばかり。駅間距離が短くこまめに乗降を繰り返すタイプの路線なので、こちらの転換クロスシート車よりもロングシート車の方がマッチしていそうです。趣味で乗るぶんには言うことなしなのですが。
放出で学研都市線への乗り換え客が降りていき、南半分の区間の車内は先程までよりもゆったりとした空気に。そして大阪から14駅、38分で終点の久宝寺に到着。おおさか東線の全通──路線というよりは運転系統と呼ぶべきでしょうが──を機に、早速こうして全線の通し乗車を試みた次第です。下の写真は久宝寺駅ホームにて、おおさか東線の終着電車と始発電車の並び。同じホームから2つのルートの大阪(方面)行きが出発していく駅であり、同線の電車の行先表示器は「大阪/おおさか東線経由」と表記されています。尤も、大阪と久宝寺を行き来するならば総じて大阪環状線経由の快速系統の方が早いので、大阪⇔天王寺の内回りor外回りのように迷うことはないでしょうが。
8分後に到着する大和路快速奈良行きへ乗り継ぎます。両線とも15分ヘッドなので8分待ち(普通は更にプラス2分)というのは円滑と呼ぶには抵抗があるものの、学研都市線連絡との兼ね合いもあるので仕方がない所。
この季節のお楽しみとして河内堅上駅の見事な桜並木に感銘を受けつつ、亀の瀬を通過。当初の予定ではそのまま奈良まで乗り通すつもりだったのですが、王寺到着時の案内放送で和歌山線への接続が比較的良好だと分かったため、アドリブで和歌山線→桜井線(万葉まほろば線)経由に変更することに。王寺で乗り込んだ普通和歌山行きは、この時以来はや3年ぶりの227系1000番台(2両編成)です。
これから乗車する王寺~高田間、3年前は大和路線への直通打ち切り+編成短縮という憂き目に遭いながらもデータイムに毎時2本が運転されていたのですが、今回は更に状況が悪化して11~14時台は毎時1本にまで減便。こちらも未だにJR難波発着の区間快速が20分毎、というイメージが残っているもので。区快は4両編成だったため、単位時間あたりの輸送力は当時比で何と6分の1! 閑散時間帯とは言え流石にここまで減らされると、最短接続の大和路快速を受けた後はぎっしりとまでは行かずとも立ち客多数となっていました。元来このエリアは近鉄のテリトリーであったわけですが、その近鉄の方も4月から運賃を大幅値上げと、地方で遍く陥る[利用者へのコスト転嫁&利便性低下]→[マイカーへの逸走]→[利用者への…]→[マイカーへの…(以下ループ)]の負のスパイラルがいよいよ大都市圏の主要幹線沿いでも……という時代の転換期が訪れていることを実感します。
混んでいるロングシート車では着席したところで無聊なる時が過ぎゆくだけなので、今日は街歩きのために体力を温存する必要がないこともあり、ここは先頭車にてかぶりつきを実施です。227系1000番台の運転台は客室からの前面展望にやや不向きな構造という、今後はあまり活用する機会が無さそうな知識も得られたりしましたが。
5駅・16分で高田へ到着すると、同一ホームで当駅始発の普通奈良行きに2分接続(下の写真)。車両も227系1000番台2両編成同士のリレーです。高田-奈良間を結ぶ桜井線には万葉まほろば線という愛称が付いていますが、長大路線の一部区間に付与されたものならばまだ実用面で意義があるものの、こちらは全線が対象のうえに仮名で4文字長くなっているので、「普通に正式名称で呼べばいいのに」とバッサリ切り捨てるのに躊躇いはないですね。尤もこのジャンルに於ける当代チャンピオンは、ダサさといいあざとさといい非実用性といい、野田線(仮名4文字)⇒東武アーバンパークライン(仮名13文字)でほぼ完全に同意が得られるのではなかろうかと。抑々東武は存在自体が垢抜けなさの代名詞ですし。何より醤の町に対する敬意の無さが許せぬ。
そんな曰くつき(?)の桜井線もまた、閑散時間帯における毎時1本への減便の影響でいきおい混雑気味だったため、こちらでもかぶりつきを実施。路線そのものも凡百の単線ローカル線かと侮っていたならば畝傍(うねび)駅や天理駅のように目を丸くする立派な駅が構えていたりもするわけですが、やはり奈良-天理-桜井間で並行する日本最古の道、「山の辺の道」抜きには語れません。私も一度歩いてみようかと下調べまではおこなったものの、YouTubeで三輪駅~天理駅間をリアルタイムで踏破する動画(→リンク)を予習のつもりで視聴したところ、長閑な風景のなかアクティブシニアのハイカーが渋滞を起こしているシーンを目にし、(これ思てたんと違う…)と意気が殺がれてしまったという。行くならばオフシーズンの平日しかないでしょうが、これもインバウンドの入国が自由になった今となってはどういう状況なのでしょうね──おっと、愚痴失礼。そんなハイカー需要のために当路線も土日祝日に関しては奈良-桜井間で日中毎時2本を維持しており、まぁ、愛称を付けたくなる気持ちも解らないわけではないです。
王寺からそのまま大和路快速に乗り続ければ15分のところを61分、奈良で本来のコースへ合流します。駅の高架化後、通過したことはあってもホームへ降りたことはなかったので、改札を出ない範囲でもってサラッと見て回りました。今日は最悪ランチ抜きも想定しているのですが、ふぅむ…… この駅の改札内には何にもないようです。京都まで進めば選択の幅は著しく狭いながらも確実にイートイン可能な店があるので、ひとまず次のみやこ路快速に乗ることにしましょう。
ここで撮った写真からはこちら↓の一枚をピックアップ。注目は右のせんとくん……ではなく、左の特急<まほろば>号の旗です。元々は2010年の平城遷都1300年祭に伴い設定された臨時特急の列車名でしたが、2019年のおおさか東線新大阪延伸を契機に2代目となる当列車が運転を開始。同年秋以降、コロナ禍による運転休止をはさみながら土日祝日運転の不定期列車として、大阪(※今春以降)・新大阪-奈良間をおおさか東線・大和路線経由で一日1往復しています。新幹線連絡には一般的に京都駅が結節点として利用されますが、こちらは新大阪始発・終着の山陽・九州新幹線列車から/への乗り換えにも便利というのがポイント。現在のところは不定期かつ通年運転ではないものの、利用状況によっては定期列車化もあり得るとの話なので、沖縄を除く46都道府県中唯一JRの新幹線・特急列車が走らない県という“汚名”もとうとう返上、となるかどうか。どう転がるにせよ、やはり最大の壁はフリークエンシーということになりますが。同じ区間で毎日運転される直通快速(一日4往復/平日と土日祝日とで運行ダイヤは別々)と比べると所要時間は同等、もしくは特急でありながら若干遅いというのはナイショ。
乗車予定の電車に先行し、奈良線の普通電車が発車していきます(宇治で後続のみやこ路快速に連絡)。こちらの205系、京阪神エリアでは21世紀に入っても長らく一定の勢力を保っていましたが、2023年現在は阪和線から転属した編成による奈良線での運用が残るのみ。ただ、希少と言えども乗っていて楽しい車両というわけではないので、そのままみやこ路快速を待つことにしました。仙石線を利用して松島観光となると、今後しばらくは自ずとこの形式に乗せられてしまうわけですし。
先の桜井線からの最短接続が僅か2分だったので、その30分後のみやこ路快速に乗車(下の写真は京都到着時に撮影)。相鉄・東急新横浜線より地味なうめきた新駅よりもまた更に地味なトピックではありますが、写真の車両が装着しているヘッドマークの通りにこの春、奈良線の北部区間・京都-城陽間の完全複線化が実現したので、これを目当てに乗りに来ました。私は京都へ行くにしろ奈良へ行くにしろ大阪方面からの往復なので、京奈間の鉄道路線に乗車する機会は純粋に移動目的では皆無。実際の所はそんなことはないのでしょうが、奈良から乗り込んだ客の半分くらいがインバウンドのように見えてしまいました。車両は221系の6両編成。奈良公園界隈へは近鉄奈良駅からの方が近いために京奈間の有効本数の点でも近鉄側が有利ではあるのですが、4月からの運賃値上げによって普通運賃が逆転してJRの方が安くなってしまったので、複線化効果と併せて今後の旅客流動にはそれなりの変化がみられるかもしれません。
木津で大和路線から奈良線へ入ると、2020年末に1駅間だけ複線化された玉水-山城多賀間を除いて城陽まで単線区間が続きます。奈良線の特徴を一言で纏めれば「街から里に至るまで、小刻みにカーブを繰り返しながらやたらと山際に張り付く路線」という感じ。とりわけ木津-城陽間は進行方向左手奥、木津川の対岸を走る近鉄京都線と比べるとローカルムードが濃厚で、天井川をくぐる山岳トンネルも何ヶ所か存在。発着地が同じ路線(※運転系統として。奈良は1km弱離れているものの京都はほぼ同じ地点)とは思えないほどに互いのカラーはまるっきり異なります。90年代後半に乗車した117系運用で昼間毎時1本運転の頃の快速は、途中宇治・城陽・木津の3駅のみの停車で同じ117系でも東海道・山陽本線を走る新快速とはまた趣向の違う爽快感を味わえたのですが、停車駅が倍の6駅に増えた現在でも駅間に関しては当時と変わることなくキビキビと走っており、相変わらずの好印象。快速の増発・増車および路線改良の成果で長年にわたり後塵を拝していた近鉄の背中にじわりじわりと迫りつつあったものが、今春の運賃の逆転を奇貨として大きく差を縮めることが出来るでしょうか。
城陽からは毎時2本の普通電車が加わり、データイムは快速2・普通4の毎時6本体制となります。完全複線化の恩恵が最も大きい朝ラッシュ時においては普通1(改正前は宇治始発だったものを城陽始発に延長)・区間快速1の合計2本のみの増発に留まっているものの、一部の普通が行き違い待ちの解消によって終点京都まで先着するようになり、有効本数は増えている模様です。なお、複線化後も線形そのものは小刻みなカーブが多いままで据え置き。桃山駅北方の国道24号線と宅地にぴったり挟まれた区間などは代表的ですが、線増用地の確保には大いに苦心の跡が見られ、直線区間でも用地の都合で軸が細かく左右に振れていたりもします。
京都市内に入っても車窓は市街地一色というわけではなく、ふとすればほら、山の緑がすぐそばに。嵯峨野線に丸13年遅れはしましたがあちらと異なりホーム手前までしっかりと複線が続き、終点京都に到着です。完全複線化前のみやこ路快速は交換待ちのために奈良行きより京都行きの方が所要時間が長かったものが上下で統一され、京都-奈良間は44分となります。近鉄側は料金が不要な急行を利用する場合、便によっては大和西大寺で乗り換えが必要だったり(最近は近鉄奈良直通便がない時間帯もあるようで)、「国際会館行き」なる竹田から地下鉄へ入ってしまう初見殺しのトラップが存在したりと(竹田で“近鉄の”京都行きの普通に連絡していますが、乗り続けて“地下鉄の”京都駅で出場する際には地下鉄区間の運賃が別途必要)、運行パターンの解りやすさに関しては上りは京都行き・下りは奈良行きとシンプルなJRに軍配が上がるでしょうか。ちなみに私は520円の追銭を払っても京奈間直通+(「あをによし」を除けば)大抵はガラ空きな近鉄特急を選びたいタイプ。
▲2面3線の京都駅奈良線ホーム
ホーム向かい側では普通奈良行き(宇治まで先着、同駅で後続のみやこ路快速に連絡)が発車時刻を待っています。普通しか停車しない稲荷(伏見稲荷大社最寄り駅)に加え、観光利用の多い東福寺・宇治へもみやこ路快速の露払いとして混雑の緩和に一役買っています。普通運用に入る221系も多いのですが、こちらは10日ほど前に運行が始まったばかりの「お茶の京都トレイン」デザインの車両。関西本線の非電化区間ではキハ120形バージョンが、そして嵯峨野線でも姉妹列車の「森の京都QRトレイン(223系4両編成)」が運行中とのことです。お茶の京都といえば何といってもあの場所ですね、あまりに気に入ったので1ヶ月前にまた散策に行ってきたところですよ(←模糊とした次回予告)。
ランチタイムはとうに過ぎておやつの時間も近いですが、西口のある跨線橋にカフェが一軒あったのでそこで軽食でも…と考えてはいたものの、行ってみても見当たりません。あれ?思い違いかな。他の改札内の店舗もあたってみたのですが、うどん・そば・丼物…といった調子で今夜の夕食のメニューと系統がモロ被りしており、見送らざるを得ず。梅田までは30分ですし、e5489で<はるか>の指定を取ったらさっさと京都駅を離れて向こうで、と方針転換してはみたものの、今度はモバイル回線が突然まったく繋がらなくなるという想定外のトラブルが。ならば駅構内に飛んでいるフリーWi-Fiを…と試してみたところ、こちらも接続失敗。なんで?駅が観光客で混み過ぎてるから?? 原因の所在が端末側なのか回線/AP側なのかいつもの如くわからずじまいだったものの、しばらくするとモバイル通信が回復したのでe5489にアクセスすると、また…(まだあんのかよ)。[駅名を入力]→[京都⇒大阪]と進んでも列車の候補が新快速の自由席とAシートしか出てこないという。数分後に気付きましたが、実は[リストから選択]→[方面・路線を指定]で表示される駅一覧のプルダウンメニューから選択、という手順でしか<はるか>は候補に出ないというクソ仕様なのでした。最初に新快速しか出なかったのは、後述する走行ルートの差異が理由で<はるか>の所要時間が新快速より長く、かつ発車時刻が同時刻のために「乗換案内としての」検索アルゴリズムでは不適当と判断されたからなのですが…… 遅いことなんぞ百も承知やわ。こちとら指定を取りたいから態々ログイン作業を経てまでアクセスしとんねん、いらんことすんな! これ、意図せぬ動作のはずなので、クソ仕様ではなくバグと呼ぶべきですね。で、漸く辿り着いた目的の列車の予約を確定しようとすると、普段はすんなり通過できるクレカの3Dセキュア(※ワンタイムパスワードがSMSで届く)が突破できませんよ! もう30番ホームへ来ているので列車はすぐ横にいるのに。ああ…もう疲れた……
──という長い経緯で、本来は最速で15時00分発の便に乗れるはずが一本後の15時30分になってしまいました。目の前の最速便を諦めた途端に3Dセキュアが突破できたのは嫌がらせとしか。特急料金は通常版のJ-WESTチケットレスで650円のところを── あ、説明はもういいですね(笑)。これは余談になりますが、今春からe5489に二段階認証が導入されてログインが不便になった、とネット上でちょっと話題になっているものの、私の場合はこれまで通りIDとパスワードのみでログインできるんですよね(ちなみにJ-WESTカード会員ではなく一般のクレカ利用です)。何かユーザーに開示されていない基準があるのかもしれませんが、カードの不正利用に関しては上記のカード側の二段階/二要素認証でブロック可能なので、セキュリティ上の不安は特に感じていません。
最終的に梅田での遅すぎるランチも諦めることになったため、改札内のセブンイレブンでホットミルクティーと一緒に「クロワッサンサンド ハム&チーズ」を購入し、発車前の列車の中にてほんの軽い腹満たし。妥協のつもりではありましたが……オッ、かなり美味しいねコレ。割高なのでもうリピはないと思いますけれど。
紆余曲折ありましたが予定どおり、うめきた新駅開業記念の〆として京都駅~大阪駅間で関空特急<はるか>に乗車してみます。車両はハローキティラッピングが施された281系(※一部の付属編成には新型の271系も充当)。昨年は外観を眺めるだけだったので、実際に乗車するのは今回が初めてです。京都シティエアターミナル(K-CAT)が無くなってもう20年以上が経過するはずですが、関西空港側の先頭車両の荷物室(下2枚目の写真)、客室に改造されるでもなくまだ残ってるのね……
普通車の客室の様子です。現在のトレンドからは外れたカバー付きの直接照明に暖色系のカラースキーム、そしてマスクを外した途端に鼻腔に飛び込んできた匂いが100系新幹線のそれに酷似していたことも相まって、悪口ではありませんがインテリアは車齢より更に1世代ほど古びた(国鉄からJRへの過渡期である1980年代終盤頃?)ような印象を受けます。1994年デビューということで座席もややへたり気味なので、そろそろリニューアルも視野に入る頃でしょうか。
和装キティちゃんが描かれたリネン(枕カバー)。どなたかが「日本人の9割はヤンキーとファンシーで出来ている」と仰っていましたが、昔ドイツでヤン車にキティちゃんのステッカーがペタペタ貼られているのを目撃して以来、これらの要素は国境・言語・人種を超えて琴線に触れる普遍的なものだと思うようになりました。そういや現代日本の主要輸出産業()たるオタク文化ってヤンキー文化とは根っこで同質ですし、ファンシーの総元締めときたら世界に君臨するDisney©ですからね。
短距離特急ということで背面テーブルは設置されておらず、代わりに小さなインアームテーブルがあるのみですが…… 京都~関西空港間は標準で1時間20分(時間帯によってはそれ以上)とそれなりにまとまった乗車時間となりますし、1994年から2003年春までは関西空港発着の特急券に関してはB特急料金ではなくA特急料金が適用されていたため(※今春、この区分は廃止されA特急料金へ統合)、lite(軽量版)というよりはlack(足りない)・not worth it(割に合わない)という印象の方が強めです。事実、後継の271系では長距離特急と同等のアコモになっているようなので。
<はるか>には自由席が設定されており(現状では実質的にe5489サービスの非会員向け)、そちらと比べればこちらの指定席車の乗車率はやはり低い様子。席数に対して荷物置き場の容量が圧倒的に足りないのですが、今回の4号車への乗車では席は多くて2割くらいの埋まりとなり、溢れ返る気配はなく至って平和でした。
上述の通り、15時30分発の播州赤穂行き新快速と同時発車。運転系統は全くの別ですが嵯峨野線ホームを発着(原則として毎時上下各2本)しているので、駅西側に残る単線区間のボトルネックぶりに拍車をかける罪深い(?)存在です。朝夕のラッシュより厄介なのはやはり瞬間風速的な需要というわけで、昨年11月に亀岡駅前の『サンガスタジアム by KYOCERA』へJ1参入プレーオフ決定戦〔京都サンガ対ロアッソ熊本〕を観に行った折には、「サポーターの本当の戦いは帰り道」とばかりに臨時便を入れても列車の本数は豊富というほどではなく(下1枚目の写真参照)。入場者数が同スタジアムの供用開始以来最多となる18,207人を記録したこともあり、亀岡駅では入場規制のためになかなか構内へ進めないという状況(同2枚目)でした。
<はるか>の京阪間は以前に新大阪⇒京都の方向で乗車済みなのですが、京都始発・終着の列車の場合、この区間は上り列車と下り列車とで大幅に走行経路が異なるため、実際には初乗りのようなものです。嵯峨野線から分岐すると貨物線へ入り、京都貨物駅(旧・梅小路駅)から桂川を渡るまではJR京都線に沿って進行方向右端を走行。桂川駅付近で同線の複々線を跨ぎ越し、次駅の向日町駅手前で下り列車線(外側線)へ合流というルートを取ります。西大路駅付近ではスピードが30km/hくらいにまで落ちましたが、これは線路そのものに速度制限がかかっているのか、それとも同時発車の新快速に追いつかないように(※新快速は高槻にも停車)敢えてスピードを抑えめにしているのか。列車線合流後は特急らしい高速走行が始まりますが、時折車体がビリビリと振動するのが非常に気になるところ。そろそろ車齢も30年という車両ですが、これより経年の長い車両でも感じたことがない異常だったので形式依存でしょうか。そのうち一度は大阪駅発着で関空アクセスに利用してみようと考えていたのですが、この件でちょっとその気が失せてしまいましたね。
こうしてしばらくは疾走を続けるものの、茨木駅~千里丘駅の中間、大阪貨物ターミナル駅へ通じる高架線をくぐる直前で列車線から分岐。スロープを上がった列車は再び複々線線路を跨ぎ越し、大阪貨物ターミナル線(大タ線)~吹田貨物ターミナル駅~梅田貨物線と辿っていきます。こういう調子なので京都⇒新大阪間では同じ特急でも<サンダーバード>より5分前後、高槻に停車する新快速に対しても同程度のビハインドがあるのですが、とはいえ大阪駅-京都駅間で着席保証を得られる列車が毎時3~5本という高頻度運行の前ではこれも些末な話。阪急は有料座席を新規導入、そして京阪も3000系のプレミアムカーを編成中2両に増車予定と、いよいよ京阪間にプレミアムシート三つ巴の時代が到来するようです(阪急は「プレミアム」かどうかまだ怪しいですが)。なお、新大阪⇒京都の場合はほぼ全区間上り列車線を走行するものの、こちらも残念ながら所要時間に関しては関西空港行きと変わらず。
東淀川駅手前でおおさか東線と合流し、あとは今朝のルートを逆方向へ。京都からは32分で大阪駅地下ホームへの到着となりました。本数自体は<はるか>が最多ですが、<サンダーバード><スーパーはくと><びわこエクスプレス(朝晩のみ)>やAシート連結の新快速が直近の発車ならば、当然ながら速いのと概して車両/アコモが新しいぶん、そちらがベターでしょう。
最後にうめきた地下口より連絡通路を抜け、西口から出場してみます。きょうは川西池田~南吹田間(東淀川でもOK)の往復乗車券を使用していますが、下車前途無効となるきっぷでも大阪駅⇔北新地駅間では改札外乗り継ぎが可能という特例があるため(※当日中ならば時間制限はなし)、大阪駅地下ホーム~北新地駅間の徒歩連絡を体験するのを兼ねて、ということで。昨夏の博多駅の件があるので有人改札は通らず自動改札機にきっぷを投入してみましたが── あちゃ~、「入場記録なし」の表示が出ちゃったよ。尤も有人改札へ移動して大回りの乗車ルートを説明したところ、下車印を捺したうえで(※下車前途無効のきっぷに下車印が捺されるというレアケース)すんなり通してもらえましたが……って、これが当たり前なのですけれど。なお、入場記録のあるきっぷでも自動改札機で回収されずに出場できるかどうかは未確認ですので、試す際にはあくまでも自己責任にてお願いします。
西口改札外の風景。いまのところ西方面への通路?は開通していないため(下2枚目の写真奥)、東の桜橋口方面(同3枚目)から出入りするだけの袋小路となっています。
こちらはコンコースに掲出されている、訪日外国人向けのアーバンネットワーク路線図(クリック/タップで拡大)。駅名(ローマ字表記)は主要駅のみを強調していますが、円形にデフォルメ&立体的に表現するだけでここまで見易くなるのには蒙を啓かれた思いです。日本語バージョンもあればいいのに。
そのまま通路を進んでいくと、桜橋口のこの↓場所に。横断歩道をはさんで両出口が向かい合う形です。JR東西線北新地駅に加えて、阪神大阪梅田駅およびOsaka Metro四つ橋線西梅田駅へもこのルートが最短。地上ですが屋根があるので、悪天候時も不便はありません。
地下街をずんずん歩いて北新地駅へ。大阪駅地下ホームからは早足でも10分以上を要するようですが、これは抑々北新地駅が高架ホームからも遠いというだけのことですので…… この乗り換えが最適ルートとなる乗車駅・降車駅の組み合わせはごく少ないというのは幸いですが。
というわけで今日の話はこれでおしまい。ご清聴ありがとうございました。
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