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2024.05.27

ちょっとよりみち☆飛山城史跡公園

 飛山城跡停留場から飛山城史跡公園へはメインルートと“隠し”ルートの2本があり、どちらも徒歩18分。往路は隠しルートの方を辿ってみようと思うので、電停を出たところの案内標識(下の写真)が右を指示しているのを無視し、逆の左へと折れます。


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 ライトラインが開業してから初めて迎える田植えの季節、というのを象徴する2枚↓です(2枚目は電車が畦に重なったので微妙に失敗)。時刻は午前11時、本日の最高気温は22~23度という予想になっていますが、予報通りの好天に恵まれて体感温度もぐんぐん上昇しています。毎年のように(連日夏日が続くような)初夏の訪れが前倒しになっているように感じられ、また梅雨入りも今年は早そうに思えたので、天気からしてもこの日がラストチャンスと判断して出発前日に夜行高速バスの手配を行った次第。本当は春休みとGWの狭間である4月中旬頃がより好適なのですが、生憎今年は他の場所への旅行(龍神温泉など複数)で予約済みだったので……


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 しばらく田舎道をテクテク歩いていくと下の写真の分かれ道に出るので、ここを右へ。見逃さないように地図アプリを確認しながら進んできましたが、ライトライン開業後に設置されたと思しき小さな案内標識もありました。


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 城郭の南縁である山道へ。空堀の中を歩き出して程なく、物見櫓跡の解説板がありました。


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 もう少し東へ進んだところ。住宅地に隣接していて普通に歩きやすい道ではありますが、途中ヘビ(ちょっかいを出さなければ無害なやつ)がニョロニョロ現れたりはしたので、そういうのが絶対ダメという方は後述のメインルートでの往復をお薦めします。


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 こちらは城郭の東縁。


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 公園入口へ到着。駐車場に隣接して『とびやま歴史体験館』があるので(入館無料)、少しだけ覗いていきました。13世紀末の築城から廃城までの300余年、当時の一次史料や遺構が確認されていないために城の変遷については謎が多いらしいのですが、城を築いた豪族(武士集団)の芳賀氏やこちらが後に名乗った(先祖の氏に戻した)清原氏といったように、ライトライン開通で全国的に一躍脚光を浴びるようになった地名のルーツがここにあります。


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 館内に展示されている城郭のジオラマ。既に左下→右下→右上と外側を歩いてきましたが、これから城郭内部をサラッと巡ってみることにします。


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 16世紀前半に石垣が導入される以前、天然の地形を活かしつつ多重に張り巡らした土塁・空堀で守りを固める中世の平山城の様式を保存した遺構として1977年には国指定史跡になっていますが、公園としての整備が行われたのはごく最近の2005年とのことです。というわけで、如何にも復元な木橋を渡って城郭内へ。


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 奥へ向かう前に、北側の眺望が開けているようなのでまずはそちらへ立ち寄ってみます。


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 鬼怒川に突き出した台地上に築かれた城というわけで、川越しのパノラマその1です。奥の山々は高原山といい、単一の山の名称ではなく県北部に連なる2つの火山群の総称です。その手前の低山は羽黒山。


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 同じアングルを広角側で。右側に写る橋は鬼怒通りが通過する柳田大橋(新旧の2本の橋で構成)で、ライトライン開通によって朝夕におけるこの橋の混雑が緩和へ向かうかどうかに期待がかかるところです。


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 こちら↓はとちぎテレビがライトライン開業から1か月の間に実施した、宇都宮駅東口~芳賀・高根沢工業団地間の自動車での所要時間の計測。あくまでも開業直後の調査結果ではあるものの、開業前と変わらずというかライトラインとどっこいどっこいなのですね。



【追記】
開業3か月後の再調査の動画もあったので貼っておきます。結果は僅かに旅行時間の短縮となった模様。


 桝形を抜け、門をくぐる手前にはまた空堀。こちらは土橋で渡ります。


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 こちら側の曲輪(=土塁・堀で囲まれた区画の単位)には、中世の将兵の詰所を復元した掘立柱建物が5棟建っています。


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 この城跡、文化財としての価値もさることながら、まず公園の景観が秀逸。5月中旬と訪問がややずれ込んだ分、新緑の下での爽快な森林浴を楽しめたのは思いがけないボーナスでした。


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 鬼怒川越しのパノラマその2です。先ほどは北方向でしたが、今度は北西方向、つまりは日光の方角。円錐形の目立つ山は男体山、その左奥には頂上付近にまだ残雪のある日光白根山を望むことができます。実に穴場的な良い所ですねー、夜行バス明けの多少の疲労もペニーレインとこちらの景観のお蔭ですっかり癒されてしまいました。もう宇都宮って餃子しかないんでしょなんて暴言は言わないよ絶対。


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 宇都宮中心部の街並み。先述のように山下川を境にして市街地と農地がパキッと分かれています。


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 こちらの展望台は関東富士見百景にも選定。因みに関東平野越しに直線距離で約170キロです。


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 三たび空堀。なかなか広大な城跡で、この後の予定を考えればここだけで体力を消費するわけにはいかず、北西の主郭(本丸部分)には立ち寄りませんでした。なお、堀の深さについては土塁が風化で崩落して埋まったり、遺構の保護層として敢えて埋めてあるという理由で、当時よりかなり浅くなっているとのことです。


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 続いて南側エリア。こちらは平日で静かな広場です。広場だけでなく史跡公園全体がひたすら静寂の中にありますが(ありがたや!)。


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 当史跡は飛山城築城前の古代~中世の遺跡を兼ねているとのことで、下の写真はのろしの番人の詰所を復元した「古代竪穴建物」です。ここまで見学に訪れる人はそう多くないのでしょうか、建物側面に進路を塞ぐように大きなクモの巣が張られていました。


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 その東側には「中世竪穴建物」。土砂崩れか何かで埋まっているのかと思いきや、地面を約1.5m掘り下げて屋根を直接地面に葺きおろすという建築様式だそうで。伏屋式(ふせやしき)と呼びますが、縄文期の茅葺きのものならば見慣れているものの、このような板葺きだとやはり妙な印象です。


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 駆け足での見学ながらも、入口に戻ってくると時刻はもう午後0時20分。今度はメインルートを辿って飛山城跡停留場へ帰ります。また18分の徒歩になりますが、GW中にはこの区間を往復する無料の乗り合いタクシーが運行されたとのこと。城郭・日本史ファンでなくとも見応えのある、城跡・公園・展望台と正に一粒で三度美味しいスポットですので(2~3月ならば梅林も)、時間とスタミナに余裕があれば是非寄り道を。


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▲駐車場・とびやま歴史体験館手前の風景


 往路のようにヘビの出る山道ではなく集落内~農地と抜ける舗装道路を進みますが、こちら側も後半は日中12分間隔のLRTの停留場から徒歩圏内とは一見思えないような風景が続き、少なくとも退屈することはありませんでした。


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 次回は再びライトラインを東進する旅へ。

(2024.05.14)

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