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2024.06.02

宇都宮ライトレール その4【グリーンスタジアム前・清原地区市民センター前・宇都宮大学陽東キャンパス】

 グリーンスタジアム前停留所にて下車します。こちらは栃木SCがホームスタジアムとして『栃木県総合運動公園陸上競技場(カンセキスタジアムとちぎ)』(宇都宮市西川田に所在)と併用している『栃木県グリーンスタジアム』の最寄り駅。緩急接続が可能な2面4線(上下線それぞれのホームが道路を挟んで千鳥配置)、かつ試合・イベント開催時の同電停始発・終着列車の折り返し運転に対応して上下線の間に渡り線を備えた配線となっています。軌道系交通機関とはいえ中量の括りでもモノレールを更に下回るという輸送能力ではありますが、それでも有るのと無いのとでは大違いです。栃木SC(※2024シーズンはJ2リーグ所属)のホームゲームに関してはキャパシティで上回りJ1基準を満たしているカンセキスタジアムとちぎがメインで使われているので、ひとまずパンクの懸念は小さそう。


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 グリーンスタジアム前電停の発車標。接近案内については表示の有無が電停によって分かれていました。


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 当然、スタジアムも外観くらいは見ておこうかと一旦は歩き出したのですが、停留場からはフェンスと工事現場が視界を遮っているうえに道のりは意外と長い、何よりも時刻が午後2時を過ぎていよいよ直射日光が堪えるようになってきた…… という理由により、途中で回れ右しました。なお、「キヤノン前」の副駅名が付いているように清原工業団地に立地する企業の事業所最寄り駅でもあるので、平日には1,400人の乗降があります。昼間の乗客で目立つのも、やはり2つの工業団地への出張・訪問客。


 続いて800m南の「清原地区市民センター前」停留場まで1駅乗車。こちらも同様に各企業の事業所最寄り駅である他、現行では最大規模のトランジットセンターを備えています(乗降人数は平日1,100人、土日祝日600人)。送迎車発着場・バス/タクシー/地域内交通のりば・P&R駐車場・駐輪場、更には冷暖房完備の待合室およびトイレと、正しくLRT要素の全部乗せ。速達性・定時性・輸送能力の優位性に加えてこの二次交通との緊密な連携が組まれているからこそ、旧来の路面電車とは厳格に区別する必要があるわけですね。電車と気動車の混同には寛容でも、こっちは啓蒙的観点からしてダメ。ゼッタイ。ハードウェアだけではなくソフトウェアでも「LRTとバスと地域内交通の乗継割引制度」や、宇都宮市内発着に限りますが「バスの上限運賃制度」といった公共交通利用時の助成制度が用意されており(これら2つは併用も可能)、この点からもLRTを旗頭にモード全体での総力戦によって車依存に歯止めをかけたいという、宇都宮市の交通政策の本気度を窺い知ることができます。それでもまだまだ高いけど。無論、フランスの地方都市のように乗継運賃でもゾーン制でもない地域内丸ごと均一運賃というのが理想ではあるのですが。
*清原地区市民センター前TCからも真岡鐵道市塙駅方面行きの路線バスが出ています。


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 さて、この後は平石中央小学校前→平石の順で下車するつもりだったのですが、最高気温22~23度という数値以上の体感での暑さに参りかけているために、プランを変更。これらはひとまず通り過ぎて、宇都宮大学陽東キャンパス停留場が最寄りの大型ショッピングモール、『ベルモール』で休憩を取ることにします。


 再び鬼怒川両岸の農村地帯を通過。今度は南側の車窓です。


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 車窓から眺めるベルモール。でかいな😲


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 副駅名もベルモール前。大学+ショッピングモール+トランジットセンターとマルチな需要があるために平日2,400人・土日祝日4,100人と途中停留場では最多の乗降があり、特に定期外利用が中心となる土日祝日──蓋を開けてみれば開業前の想定を大きく上回っていたとか──の乗降が突出しています。宇都宮駅東口からの営業キロが2.8キロと1区初乗り150円(※定期運賃も普通運賃の区分に準拠)にギリギリ収まるため、営業サイド・ユーザーサイドいずれの視点においてもコストパフォーマンスの高さが光る区間と呼べそうです。


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 道を挟んでウェストサイドとイーストサイドに分かれているうち、今回立ち寄るのはウェストサイド。市内には他に福田屋百貨店(通称FKD)系列のショッピングモールが2店舗あり、ベルモールと激しく火花を散らす関係にあります。それは宇都宮都市圏にイオンが付け入る隙を与えない程に(=現在のところイオンモールは未出店)。そのため、ライバルであると同時に共闘体制にあるとも言え、顧客にとっても地域経済にとっても健全な環境ではありますね。


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“鉄”分補給は十分なので今は糖分補給を…とショップリストを眺めたのち、サーティワンかな、と決めてフードコートへ向かったものの、長い行列が出来ていたためにサブウェイのクリームソーダで手を打ちました。まあこんなもんかな。全館でのフリーWi-Fiサービスもあったので休憩がてらWikipediaによる当モールの解説記事に目を通していたところ、カリヨンとアルパカ広場が名物のよう。よし、後で見に行ってみよー!


 1つ目のカリヨン。「49個のベル数とメロディを奏でるベルモールのカリヨンは、カリヨンの中でも世界一といえるものです」と、何気に凄いことが書いてあります。ひとまず十分に休息を取ったところで本来メロディが奏でられるはずの毎時0分を迎えたのですが、16時の回はどうしたことか鳴らず。故障中なのかな?ザンネン。上に写真を貼った店舗入口にもスイングベルが写っていますが、運営会社の旧社名が「鈴直」だっただけに(1955年創業、ベルモール開業翌年の2005年に「株式会社ベルモール」に変更)、ベルには並々ならぬ拘りがある模様です。


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 滞在時間が長めだったお蔭で、店内放送でベルモールのテーマソングが流れているのを耳にすることが出来ました。これがなかなか良い曲でして…… 歌声が何とも涙腺を刺激するんですよね。ライトレールのジングル共々、今日は耳を流れるメロディがみな優しいです。



 2つ目のアルパカ広場。丁度お食事中で良い写真にはなりませんでしたが、アルパカと一口に括れないほどに色も毛並みも其々個性的なのに感心しました。


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 児童向けの遊具もライトライン。午後4時を回れば、1時間前までとは違って日向でも余裕で歩けます。やっぱりトラムが走る街って素敵よね、と交差点で信号を待つ電車を眺めつつ(下2枚目の写真)、下り線のホームへ。(続く)


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(2024.05.14)

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