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2024.06.04

宇都宮ライトレール その5【平石・平石中央小学校前・峰】

 平石停留場も緩急接続に対応した2面4線の配線。市街地の外れの農村地帯(※市街化調整区域なので将来的にも不変)に位置しているため、現状では自転車・バイク・車との乗り換え地点としての利用にほぼ限られているようですが(乗降は平日・土日祝日ともに400人)、5月末・6月末には連日満車が続いているという駐車場の拡張が実施されます。運行体系の面でも今後予想される宇都宮駅西側への路線延伸や快速運転の拡充など、それに伴った変貌が最も大きいであろう停留場でもあります。


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 宇都宮ライトレールの本社が車両基地横のすぐそばにあるので、伸びやかな景色を眺めながらこちらへも。平石で交代する乗務員も、ここまで公道を往復しています。社屋には開業239日目の4月20日に累計の利用者が300万人を突破したことを記念する垂れ幕が掛かっていました。まぁこの数字だけでピンと来るわけではありませんが、宇都宮市の人口が51万2214人(2024年5月1日現在)なので、それと比較すれば多少はスケールが掴めるかと。


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 続いて平石中央小学校前停留場へ。u-movenext.net内のページにて

停留場の壁面の一部に、写真やイラスト等によるデザインシート(以下、「個性化シート」という。)を施し、その停留場の地域の特色などを表現(停留場壁面の個性化)する取組です。個性化シートは、デザイン制作等の専門家団体「栃木県デザイン協会」の協力を得ながら、沿線6地区でのワークショップを実施するなど、地域の皆様とともに作成したものです。(「LRT停留場の個性化」より引用)
と説明のある当停留場の個性化シートで知りましたが、停留場名になっている平石中央小学校は1874(明治7)年、地区北部の平石北小学校は1886(明治19)年と、どちらも創立から140~150年、町村制が施行されて旧・平石村が成立する以前にまで遡るという歴史があるのだそうです。


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 飛山城跡に次いで線内で2番目に長閑な停留場なので、駅の周りをちょっと散歩。というのも、現地でチェックしておきたかったポイントがありまして…… 停留場から東へ200mのこちら↓の交差点、というか専用軌道と道路の交差なので事実上の踏切ではあるのですが、南側から来ると右方向の視界が右の建物の陰になって全く利かないために危険と指摘されていた箇所です。本当は遮断機を設置したいけれども専用軌道側が法律上は道路なので不可能、みたいな話が開業前後の時期にSNSで流れていましたっけね。で、開業から9か月を迎えた今、ハード側ではかなり大音量の接近放送+電光表示+回転灯+道路反射鏡、運用側では当該交差点の手前で電車が減速と、現状で可能な限りの安全対策が講じられていました。実態としては遮断機こそ無いもののより安全性の高まった第3種踏切という感じで、まずはこれにて解決、ではないでしょうか。


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▲(2枚)南側からの視点

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▲北側からの視点

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▲電車は減速して通過


 この前後の区間は道路のレイアウト変更や建物の立ち退きで、軌道敷設前後の変化が大きい場所です。


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 停留場から西へ100mほどの地点にも同様の「踏切」があるものの、こちらは左右ともに見通しが良いので接近放送+電光表示で充分。周囲に住宅があるにも拘らずこの放送の音量がでかいので相当騒がしくはありますが、小学校が近いが故の措置かと思われます。


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 宇都宮駅方面へ戻る前に、飛山城跡まで1駅乗ってもう一度鬼怒川の橋梁を往復することにしました。そろそろ夕方のラッシュ、すれ違う電車の乗車率が格段に上がっているのが気に掛かるものの、とはいえキャンセルするほどのことではないでしょう。


 北側の車窓。朝は前を向いていたので見落としていましたが、川のすぐ横に釣り堀がありました(下2枚目の写真)。夕方の川の風景は飛山城史跡公園を交えて(同3枚目)。


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 不等間隔ながら12分待たずして電車に乗れる時間帯がしばらく続きますが、飛山城跡停留場で折り返しの電車を待っていたところ、僅か5分後に下り電車が到着。平石発グリーンスタジアム前行きという短距離運転の電車で、いきおい乗客は0人です。種を明かせばグリーンスタジアム前到着後に同駅始発の宇都宮駅東口行きとして運転されるという送り込み列車なのですが、回送ではなく営業列車として走らせるところが“スレてない”というか……(純粋に褒め言葉です)。


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 17時15分発の電車に乗車しようとすると、ドア際までぎっしりの乗り具合。この10~20分の間に鉄砲水のように増えたような気がしますが、学生が多くとも中心というほどではなく、全年齢層に亘ってまんべんなくといった内訳です。よく利用されているのは慶事ではあるものの、この混雑も併用軌道を走る車両は原則として全長30メートル以内という旧態依然どころか化石そのものの法律のせいかと思うと、やはり腹立たしさが並行したりも。救援時にも必要なので、車両自体は重連運転が可能ではあるのですが。増発で対応しようにも自動運転が未導入である以上はマンパワーが不可欠、つまりは時代の要請に逆行していますからね。かくしてLRTのメリットが実にしょうもない理由でスポイルされるところは、やはり選良不在の似而非国家・ニッポンなのでした。


 幸い、最後の下車停留場となる峰までは13分と短いため、これもレポートとしては良い機会ですし立ち席での乗り心地をチェック。吊り革があるので掴む所に困るということはありません。新設軌道&ロングレールということで富山港線の専用軌道区間のようなレールの継ぎ目のゴツンゴツンはなく、スピードの遅さもここでは氷上を滑走するが如くの安定感として作用。車両の天井は低めですがヴォールトなので、身長170cmの私にとっては天地方向の窮屈さは感じられません。外が暗くなってくると暖色の間接照明がより引き立つようになりますし、総合すれば同じように詰め込まれているはずなのにヘビーレールの電車よりも殺伐感がはるかに薄いというのが第一の印象でした。


 時刻は17時半。ブランチが9時半だったので流石に空腹というわけで、若干早めの夕食タイムです。9年前の『宇都宮みんみん』が美味しくないわけではないもののリピは微妙、という評価だったために、リベンジの意味を込めて峰停留場から歩いて1分の『中華トントン』にて再チャレンジです。店舗の方はカウンター席が中心の、清潔感のある町中華といった印象。


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 広くはない店舗で実際到着時には席がぜんぶ埋まっていましたが、回転率重視どころかそれとは真逆のゆっくりじっくり餃子を焼き上げるスタイル。順番待ちの時間を含めると入店から退店まで1時間強という、餃子屋さんとしては前代未聞の滞在時間となりました。早目に入ったつもりがとんでもなかった。


 今回いただいた「びっくり餃子セット」(税込800円)です。びっくりと称するように、一個が通常のサイズと比較して2倍近くの大きさがあります。もっと大きいジャンボびっくり餃子も用意されていて興味はあったのですが、大きすぎて肉汁がボトボト落ちて食べにくいという口コミがあったので、今回は普通サイズ(普通じゃないが)にしておきました。一個単位での追加も可能なのですが、このところ気候のせいか胃腸の調子が思わしくないため、こちらも自重。余談ですが出てくるのが一度にではなく餃子〔一呼吸〕ご飯〔一呼吸〕スープとタイムラグがあったために、出揃った状態の写真を撮るのにやきもき(餃子が冷める…)。


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 お味の方ですが、生姜の風味の主張が強いながらも、野菜多めであっさり・さっぱりという宇都宮餃子の基本を踏襲。そしてジューシー。餡に関しては何か特別なことをしているわけではない、それこそ家庭でも再現できそうではありましたが、やはり専門店のプライドでもって丁寧に拵えているからでしょうね。2回目にして大当たりを引いたような気分です。これならば餃子一本足打法でもヨシ! いや、今は餃子とLRTの二刀流でしたか。


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 なお、2週間後の28日より値上げだそうです。個々の店を責める意向はさらさら無いと断ったうえで(価格が折り合わなければ行かないだけのこと)、庶民の味がどんどん庶民的でなくなってきているのには閉口。ともあれ、今日は2食ともに満足度が高くて何よりでした。


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 表へ出ると黄昏時。19時37分発の宇都宮線の電車で宇都宮を離れる予定なので、もう1時間を切っています。中華トントン、下2枚目の写真の通り、ライトラインの上りホームからは道路を挟んで対岸という立地。予想外ながらも結果的にはいい時間になったので、このまま帰途に就きましょう。次回エピローグにて最終回です。


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(2024.05.14)

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