24/10/18 (3)四条河原町~錦市場~高倉通~京都駅
京都駅へは四条河原町交差点からバスに乗るなり、四条烏丸まで戻って地下鉄に乗るなりですぐに着いてしまいますが、徒歩でも最短ルートをゆけば南南西方向へ30分強の道のりですので、今日は久々の洛中をぶらぶら散策しながら向かうことにします。天気予報では曇り時々雨とのことで、到着直前まで降雨があったようなのですが、9番出口から地上へ出ると確かに地面は濡れているものの雨は上がっていました。気温・湿度共に高めなので、ひとまず日射しがないのは助かりますが。
まずはちょっとだけ逆方向の北へ。近くの錦市場へ寄り道していきましょう。折角なのでインバウンドツーリズムの最前線をこわごわ瞥見、というわけです。四条通の歩道が拡幅されてからは初めてやって来たのですが(下の写真)、沿道に用のある路線バスやタクシー・荷物の積み下ろしを行うトラックはともかく、一般の車は東西移動に御池通や五条通(国道1号線)も使えるので、ぱっと見た限りでは流れはスムーズです。これも条坊制ゆえのメリットですが、例えばシムシティなどの都市シミュレーターなんかでは碁盤の目状に道路を敷くと交差点が増えて交通の流れが悪くなりがちで、レイアウトとしてはあまり推奨されないものとされていますね。ゲーム的にはお手軽なのでついついやってしまいがちですが。そして京都とは対照的に有り余る資金に物を言わせ、地下鉄を引きまくって強引に解決するわけですが。閑話休題。

桃山時代から続く繁華街である寺町京極商店街を北上。


150m弱で錦市場の東端に到着しますが…… おっと、細くて通り過ぎるところだった。そんな細い通りに国内・国外交えて観光客がひしめいているため、そう易々と前へ進ませてはくれません。


時々眺めているライブカメラ(上の四角い方)。今回は乗り鉄イベントのついでだとはいえ、とうとう群衆の一人になってしまいました。

撮影OKの店舗があったので商品の一例を載せておきますが、順調に黒門市場化が進んでいると言うべきなのか、聞いていた通りで最高級ホテルのショッピングアーケードでもないのに値札がバグってます。一昔前までの東南アジアの人々はこんな眼差しで日・米・欧の観光客を見ていたのでしょうかね。とはいえ惨めな気持ちなど些かもなく、単にIt doesn't matter to meなどと呟くのみです──最近は何から何までこんな感じで。なお、今のトレンドは揚げたて天ぷらの模様。


足を運んだからには通り過ぎるだけというのもナンなので、市場の西端に近い京生麩の老舗『麩嘉(ふうか)』(→公式サイト)にて、鯛焼きタイプの麩まんじゅう(税込280円)を味わっていきます(※2人分のみイートインスペースあり)。一日あたりの個数は限定とのこと。焼きたてを提供してくれるのでアツアツです。最近はコンビニスイーツ等でも似た食感のものに馴染んでいるので特段インパクトがあるわけではないのですが、歯切れの良いモチモチ感は生麩ならではです。


生麩は見ただけでは使い方のよく分からない料理の素材、しかもインバウンド的には一層接点のない食材というわけで、雑踏を行き交う観光客は余程好奇心旺盛な外国人が稀にチラッと覗いていくのみ。店内は安倍晴明が結界でも張ってくれたかのように静かです。晴明神社までは車で10分くらいのご近所さんですし…

麩嘉さんの生麩を使った料理の一例↓。できれば買って帰りたかったのですが、生ものなのでこの後の予定を考えれば持ち歩くには不安があるため、今回は見送りです(あーまた食べたい!)。ごくごく短いお付き合いでしたが、京都らしいはんなりとしたおもてなしは流石に老舗の品格だと、誠に恐れ入りました。

錦市場のアーケードを抜けると高倉通。ここからしばらくはこの通りを南下していきます。


四条通を横切れば、そこはいつものあの町並み。大通り、それも京都随一の繁華街から1ブロックも離れないところにこの異空間というのが洛中の面白さなのですが、やはり絶対的な距離に比例して新築のホテルも増えているようでした。



2ブロック進むと佛光寺(ぶっこうじ)というお寺に突き当たり、高倉通はこのお寺の東側を迂回していきます。こちらにも少し寄り道。


境内の施設をリノベーションしたカフェ(下1・2・3枚目の写真)とセレクトショップ(同4・5・6枚目)。お値段面ではこれはないわ…なのですが、まあ見るだけならば。






同じX座標に復帰したところで、更に高倉通を南下。従前と変わらず観光客の混雑とは無縁のエリアでホッとします。毀誉褒貶激しい京都のツーリズムですが、「歩いてor自転車で」「有名観光地を避けて」ならば洗練された都市文化も相まって探索欲を掻き立てられる楽しい街。要するに関わり方次第ということです。



五条通(国道1号線)を通過。

6分ほど歩くと、今度は渉成園にぶち当たります。こちらは迂回ではなく通り自体が一旦途切れる箇所です。


渉成園の南側で高倉通は復活するものの、今回は下珠数屋町通(しもじゅずやまちどおり)を西進。仏具・法衣店の前を通って烏丸通越しに東本願寺を望むポイントへ出てきます。気が向けば東本願寺にも立ち寄っていくつもりでしたが(記録によると16年ぶり)、やっぱりインバウンド客が大量にうろついているので、あっさりパスです。


最後まで大通りを避けるように京都駅至近の旅館街として、そして京都の難読地名としても知られる不明門通(あけずどおり)を南下。京都駅烏丸中央口に到着したのは14時47分でした。あをによしの発車まではまだ1時間半もありますが、遅くではなく早く着くぶんには無問題です。



京都駅そのものはコロナ前のペースだと年に数回通る、というかつい24日前にも通ったばかりなのですが、改札の外へ出る機会となるとグンと激減。駅舎の実際の使い勝手は置いておいて(まず南北自由通路の位置が直感的に分かりづらい)、毎度カメラを向けてしまう壮大な建築であるのは間違いのないところです。西側の大階段側面に仕込まれたLEDでグラフィックアートが表示されているのも今回初めて目にしました(名称は『グラフィカルイルミネーションPlus』だそう)。10月~2月は15時点灯とのことで、タイミングが良かったです。



上記の訪問頻度ですので未だに駅ビルの全容はつかめていないのですが、今日は時間があるので大階段下の4F・室町小路広場から南遊歩道経由で南広場→烏丸小路広場と未踏エリアを探索。南広場からは地上の在来線ホームおよび高架の新幹線ホーム越しにこれから向かう八条口側を望むことができます(下の写真)。一見さんはまずやって来ないエリアなので、専ら地元民の憩いの場、とりわけ高校生の溜まり場として利用されていました。

東側から吹き抜けを見下ろしたら(下の写真)、ちょっと早いですが近鉄京都駅が位置する八条口へ移動。駅到着から数十分が経過して、再び粒がはっきり見えるほどの雨が降っていました。

もう少し時間があれば『イオンモールKYOTO』まで往復するつもりだったものの、雨降りですし残り時間も中途半端なので、八条口直結の近鉄名店街「みやこみち」内をウロウロ。書店があったので立ち寄ってみましたが、かねてより出版不況と喧伝されている理由も“さもありなん”です。右から左までちっとも知的好奇心をくすぐられない、白痴向けのしょうもない本・雑誌ばっかりですものね(なので最近は哲学の古典くらいしか読みません)。ああつまらない…… 最後にみやこみち入口にある『京都北山マールブランシュ』(下の写真)にて、列車内で食べるスイーツをテイクアウト。以前に「しまかぜ」のカフェ車両でいただいたケーキセットがなかなか美味しかったので(→当時の記事)、あの体験をもう一度というわけです。

次回は本日のメインイベントその2です。
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