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2024.12.27

24/10/29 (4)やまびこ遊歩道~宇奈月ダム

 地鉄宇奈月温泉駅から約200メートル(徒歩3分)の所にあるのが、黒部峡谷鉄道の宇奈月駅。ここも11日前の京都と同じく、今やインバウンドツーリズムの最前線です。観光鉄道である以前に昭和からの有名観光地であるわけですが、昨日のヴェネツィアの繰り返しで「もし行く気があるならば若いうちにとっくに行っていた」わけでして。鉄道好きの私とて何でも食いつくわけではないですからね、ほぼほぼ10割の事物は普通にスルーです。サワーグレープめいたことを言ってみれば、20分くらいで飽きてきそうだなと(笑)。今秋は能登半島地震による軌道の損壊で猫又駅での折り返し運転となっていますが、欅平駅までの全線営業でも単純往復しかないですからね。尤も黒部宇奈月キャニオンルートの一般開放でアルペンルートの黒部ダム以西と絡めての周遊ルートが構成された暁には、チケットの入手難度次第で初乗車も前向きに考えています。


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 乗客を満載して出発を控えた編成。定期便のほかに多客時の臨時便も結構な数が出るので、本数は富山地鉄よりもずっと多いです。今のところはまだ天気も崩れてきていないので、まずまずのコンディションで風景を満喫できることでしょう。いってらっしゃい!


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 駅舎前の広場は観光バスの駐車場。やはりここまでのアクセス手段の主流はこちらです。


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 目的地の「やまびこ遊歩道」の入口はこの広場の奥。後述する宇奈月ダム建設により付け替えられた黒部峡谷鉄道の旧軌道敷を遊歩道として整備したものです。下の画像はその案内マップ(クリック/タップで拡大)。


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 上の列車の出発を見送りつつ、


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 早速如何にも旧線跡といった雰囲気の歩道へ。直ぐに差し掛かるのが……


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 黒部川を跨ぐ2本の赤い鉄橋。こちらの遊歩道側のものが「旧山彦橋」、その一段上、現在の黒部峡谷鉄道の線路側のものが「新山彦橋」です。先述のキャニオンエキスプレスのロゴのモデルになっているのは立山線内にある千垣橋梁という別の橋のようですが、3本とも甲乙つけがたい美しいアーチ橋です(下3枚目の写真は旧山彦橋の外観)。


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 新山彦橋を通過する列車の時刻表も掲示されています。定期便のみの記載なので、この日もここに載っていない列車が通過していきました。


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 旧山彦橋を渡りきったら、下の写真右側のトンネルへ。黒部・宇奈月温泉観光局の公式サイトにこんな↓記述があり、

※2024年4月18日現在の状況・・・一部開通致しました。残念ながらトンネル入り口の真上(弥太蔵橋分岐点)の倒木により、橋の中央部までしか通行できません。当面の間、ダム展望台までの通行が出来ませんのでご了承下さい。
訪問前に電話で通行の可否を確認したのですが、とっくに復旧しているとのこと。それならばサイトの記述を修正しておいてほしいものですが、この記事を執筆している12月下旬現在でもそのままですね(苦笑)。


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 トンネル内部。1926(大正15)年開通の区間なので手掘りの部分もあったりします。新線への切り替えは1988(昭和63)年。


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 反対側のポータルと抜けた先の道。この向こうの階段を上がったところに、


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 宇奈月ダムの堤体を望む展望台があります。ダムカードっぽく撮れる枠が設置されていたので、こちら越しに。人通りの多いやまびこ遊歩道ながらもこの展望台で殆どの観光客が引き返してしまいますが、私はダムの堤体の上までは行くと決めているのでもう少し頑張りましょう。


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 ストレートに向かうのならば坂を登ることになりますが、下の方にも何かあるようなのでまずはそちらへ。


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 関西電力の宇奈月発電所です。ダムの竣工は2001年と割と最近で、こちらもまだ真新しい建物。窓を通して内部が覗けるようになっていますが、これだけ大掛かりな施設をもってしても現在の発電電力は10,900kW(一般家庭の3,600戸分)でしかないそうです。とはいえ発電のみが目的ではない多目的ダムですし、認可出力(最大出力能力)はこの倍の20,000kWとのことですが。こういうリアルな数字はでんこちゃんの決め台詞よりもずっと説得力がありますね。


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 下った分だけ余計に登らなくてはならないのですが、ここから延びているのは「斜度がきつく」「踊り場がなく」「踏面が狭く」「雨で濡れていて」「落ち葉も溜まっている」長い直登階段。たぶん転げ落ちたら怪我だけでは済まないかも…と思いながら、止むを得ず慎重に登っていきます。当然高低差の分だけちとしんどくもあり。今日は乗り鉄メインの日なので足は労るつもりだったのですが……


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▲堤体を横から


 ともあれ5分ほどで堤体の上へ。管理所内には『宇奈月ダム情報資料館「大夢来館(だむこんかん)」』があり(入館無料)、ダムカードの配布も実施しているとか。きょうは帰りの電車に乗り遅れるわけにはいかないので、見学はパスして早めに戻ることになりました。


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 堤体上に設けられた展望台から眺める、ささやかなご褒美であるエメラルドグリーンの湖面。10月下旬なので標高200~300mのここいらでは紅葉にはまだ少し早かったものの、昨日は海・今日は山がメインと、富山ならではの自然景観をバランスよく楽しめる良き旅程が進行中です。周りには誰もいないので深呼吸し放題。不織布マスクについては朝夕のラッシュの間しか着けていないので、昨日のやつを今日も使い回しています。


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 堤高は97メートル。ダムの上に立つと毎回見て撮らずにはいられないコレ↓もこなしておきます。もしストラップなしのスマホのカメラで撮るのならば、別の意味で勇気が必要なのですが。


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 帰りは車が通れる道を線路沿いに下って。この線路、外から見ると相当な急勾配という印象で(線内の最急勾配は50パーミル)、これでも機関車牽引の粘着運転で上り下りできるのだなと感心していました。


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 再び旧線跡区間へ。トンネルを抜けたのち、旧山彦橋を渡らずに右へUターン。その先に小さな吊り橋が架かっており、この上からは2本の橋を同時かつ間近に眺められます。


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 旧山彦橋へ差し掛かったところで機関車の汽笛が聞こえてきたので、動画に収めるべくスタンバイ(下はそのキャプチャー画像)。この列車は前記の時刻表には載っていない便でした。


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 帰りの電車の出発20分前と余裕を持って宇奈月駅前へ帰ってきましたが、駅の向かいにある『黒部川電気記念館』(下の写真)をゆっくり見学できるほどの時間は無かったのは惜しいところ。今回はピカピカのトイレだけお借りしておきました。


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 富山地鉄ホームの東端側には無料の足湯コーナーも。列車の乗車には一旦改札口を経由しなければならないものの、ここから簡単にホームへ出入りできるようになっていました。ゆるい。


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 その地鉄ホーム。電車は電車でも軽いショックで思わず無言になる子が据え付けられていますが…… そちらの話も込みで次回へ続きます。


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