24/10/29 (3)富山地方鉄道本線 その2【電鉄富山→宇奈月温泉II】
引き続き、海岸近くを走る車窓から。このエリアには「ほたるいかミュージアム」や、富山県唯一の遊園地である「ミラージュランド」(※名称の由来はもちろん富山湾の蜃気楼)・「魚津水族館」といったレジャー施設が存在します。前者はあいの風・地鉄両線が停車する滑川駅から徒歩10分とアクセス良好ではあるものの、後者2つは西魚津駅から1.2kmと客層を考慮すれば微妙な道のりでしょうか。私のような物好きとは異なり「止むを得ず」公共交通で訪れるのならばの話ですが。
地鉄沿線では富山に次ぐ規模の都市である魚津へは後ほど途中下車するので往路編では飛ばし、定刻では9時35分着の電鉄黒部へ(まだ2~3分遅れ)。地鉄(鉄道線)ではラッピング車両も走っており、ここに停まっていたのは青が鮮やかなJリーグ(J3リーグ)のクラブ「カターレ富山」のもの。12月7日のJ2昇格プレーオフ決勝を引き分けで制し(※レギュレーションにより引き分け以上で勝ち抜け)、来シーズンは11年ぶりにJ2チームとして参戦することになります。私も2022年のJ1参入プレーオフの同じく決勝をスタジアムにて体感しましたが、一発勝負の大一番というわけでとんでもなく盛り上がるんですよね。
その4駅先が北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅に併設された新黒部駅。1面1線と規模自体は最小限ではあるものの、2015年以降は前記の通り宇奈月温泉・黒部峡谷方面への玄関口としての機能をほぼ一手に担うことになりました。当然、この電車にも新幹線からの乗り換え客が乗車。近くに座ったグループは会話の中で京阪特急として走っていた時代に言及していました。普通列車に加え、10・12・13時台には電鉄黒部・新黒部⇒宇奈月温泉間のみを走る特急列車(愛称は「くろべ」号)まで運行。乗車時間は僅か17分とは言え、特急料金(大人200円)を徴収しながら何とロングシート車が運用に入る可能性もあるそうで。「可能性」というより最早「恐れ」ですよねぇ。
関東・関西方面からだと選択の余地はありませんが、富山駅発着だとメリット別に以下の3パターンの経路が。一応並列で並べてはいるものの、合理性を鑑みれば地鉄区間の賃率が原因となり1>>2>>3くらいの差があります。
〔いずれも大人運賃・料金、1と2は乗り換え時間は含まず、地鉄は2025年4月1日に運賃改定を予定〕
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所要時間重視
経路:富山-[北陸新幹線]-黒部宇奈月温泉/新黒部-[地鉄]-宇奈月温泉
乗車時間:29~43分
運賃・料金:新幹線自由席1,470円+地鉄580円=合計2,050円
備考◆「新黒部~宇奈月温泉往復割引きっぷ」利用だと正規運賃プラス40円にて往復特急自由席利用可
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コスト重視
経路:富山-[あいの風とやま鉄道]-魚津/新魚津-[地鉄]-宇奈月温泉
乗車時間:1時間11分
運賃:あいの風600円+地鉄850円=合計1,450円
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乗り換え回数重視
経路:電鉄富山-[地鉄]-宇奈月温泉
乗車時間:1時間42分
運賃:1,690円
備考◆車内にトイレなし
電鉄富山を出て1時間以上。電車はようやく山ヘ針路を向け……
山裾に取り付きだしたのは宇奈月温泉まで3駅を残すのみの愛本あたりから。と同時に黒部川の渓谷沿いの区間が始まり、後ほど乗車する立山線には及ばずとも山岳路線の様相を呈してきました。その愛本駅前の関西電力の変電所(下2枚目の写真)を筆頭に、黒部川らしく発電関連の施設も目立ちます。
定刻では10時12分のところを2分ほど遅れて終点宇奈月温泉へ到着。プラットホームの写真は帰りに撮っておくとして、まずはトイレトイレ…… 幸いにもピンチの気配は全く無かったものの、やはりこれは乗り換えなしのメリットを完全に帳消しにするほどのデメリットですので、上記で言う3.のルートはきっぱりと非推奨ですね。それにしても遠かった。今回は大阪から2日に分けてやって来ましたが、仮に昨日新幹線を新高岡で下車せずに富山まで乗り続けたとすると、3区間を合わせた乗車時間(乗り換え時間は含まず)は4時間13分になります。ちなみにJR西日本681系のデビュー間もない頃には<スーパー雷鳥宇奈月(サンダーバード)>名義にて、地上駅時代の富山駅に存在したJR⇔地鉄間の連絡線を介して大阪~宇奈月温泉間の直通運転を実施していました。地鉄の新しい車両(≠新車)といえば大手私鉄からのお下がり一辺倒だったところに最新鋭の車両が入ってきたわけですから、沿線民の誰もが度肝を抜かれたことでしょう。1995年当時のダイヤで同区間での宇奈月温泉行きの所要時間は4時間23分でしたが、関西からそれだけの時間を掛けてでも来てもらえるという求心力がある(あった?)のでしょうね。温泉には大して興味のない私には解りませんが。現に今日は温泉街には立ち寄りませんし、湯船どころか足湯にも浸からずにここを後にすることになりますので。
▲宇奈月温泉駅 駅舎外観
とはいっても直近の電車でとんぼ返りではなく一か所だけ訪れてみたい場所があるので、1時間半の滞在時間をフルに活用して駅から歩いてすぐのそちらの方へ向かいます。(続く)
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