24/10/29 (5)富山地方鉄道本線 その3【宇奈月温泉→新魚津】~本日のおさかなランチ
11時45分発の普通電鉄富山行きで宇奈月温泉を離れます。今度はランチのために新魚津駅にて下車するため、41分と比較的短めの乗車。さっきのように1時間42分でなくて幸運でしたよ。何しろ車両はこちら↓、東急大井町線からやって来たオールロングシート車の17480系(2両編成)ですので。30分で着いてしまう電鉄黒部ならばまだしも、電鉄富山の方向幕を出しているシーンは最早グロ映像にも思えてきます。
温泉宿帰りに適した時間の列車というわけでそこそこの乗車率だったため、車内の写真は後刻不二越・上滝線で再度当たってしまった時のものを載せておきます。東急なんて世田谷線を除けばこれまでの乗車回数は一桁ですし、何の感慨もないですね。世田谷在住時代に乗っていた小田急ならばまだよかったのですが。オリジナルは4ドアですが、地鉄では中寄りの2枚を塞いで2ドア車として運用。ドア跡は大型の広告スペースとして使われています。下の写真は宇奈月温泉の雪上花火を捉えた様子で風雅なのですが、宇奈月温泉→新魚津で乗車した車両は富山地鉄の従業員募集の広告で車両メンテナンス担当のおじさんがドアップというもの。正直、ビジュアル的にこのサイズで掲示する内容ではないかと……(イケおじならともかく)
出発直後は大人しく横向きに腰掛けていたものの、すぐにロングシート中ほどの仕切りを背もたれ代わりに使う奥義・ねじり掛けスタイルに変更。快適には程遠いですが文句は言いますまい、日常ユーザーとしても趣味者としても不満があれば黙って離れていくだけですから。
新黒部で新幹線への乗り換え客を下ろしたら電車は普段着の姿で坦々と走る……はずが、同じ車両に乗っていた温泉帰りのおばさん二人組が降り損ねてしまったらしく狼狽えています。いや… いまあなた方と同じようにキャリーケースを転がした人がいっぱい降りていきましたよね?(何故自分たちと無関係だと判断したの?) てっきり電鉄富山まで乗り通すつもりかと思って無意識にスルーしていましたが。しばらく対向列車は来ないですし、慌てて無人駅で降りたところで途方に暮れるだけなので、電鉄黒部まで行ってタクシーに乗り換えるしか方法はないでしょう──という旨のアドバイスを近くに座っていた親切な男性にもらって、電鉄黒部で下車していきました。私も気に掛かるわけではないものの新幹線に間に合うかどうかだけは関心があったので後ほど調べてみたところ、駅前の乗り場で首尾よくタクシーを捕まえることが出来れば東京方面はどうにか、敦賀方面は余裕を持って間に合うようでした。今回はこうして首の皮一枚つながる結果になりましたが一般論としては接続時間は短いに越したことはないわけで、富山地鉄としては小さくない制約の中で両方向から/への接続に対応しなければならないのが悩みどころでしょう。
お昼時の12時26分に新魚津へ到着。あいの風とやま鉄道との乗り換え駅でもあり、その魚津駅の駅前広場へ面した場所に本日のランチの会場である『海風亭(かいふうてい)』(→公式サイト)があります。創業は1908(明治41)年という日本料理の老舗で入り口(下の写真)もちょっと敷居が高い感じですが、ランチメニューはリーズナブル。富山地鉄沿線では他に上述の電鉄黒部や1つ先の電鉄魚津の周辺もあたってみたのですが、こちらのお店が最も希望に近かったです。滞在時間が次の電鉄富山方面行きが出るまでの59分と制限があるので、電話にて「12時半に伺います」とメニューも込みで予約を入れておきました。
予約席に着いてすぐにサーブしていただいた、平日限定の「海鮮丼ランチ(税込1,190円)」。1,480円の上との違いは甘えび・生わさびの有無だけなのでこちらにしました。5年前の『四十萬亭』の超お得ランチには流石に及ばないものの、心地の良い接客でゆったりと食事を楽しめたのでチョイスとしては間違いなく正解。他のお客さんはバイ貝の釜飯を頼んでおられる方が多かったです。あとはげんげの竜田揚げも名物らしく、次はいつ富山へ来られるか分からないというのに今後の課題というやつが増えて困ったものです。
あいの風とやま鉄道の魚津駅。特急列車の発着こそ無くなってしまったものの、県都へは所要時間・運賃・運行頻度いずれの面においても富山地鉄を選択する理由はないため、現在も都市間輸送の要となる駅であることに変わりはありません。列車の発車時刻は日本海縦貫線の貨物列車との兼ね合いもあって不規則ですが、来春のダイヤ改正において11~14時台についてはパターンダイヤ化と増発が実施されるとのこと。ちなみに新幹線が開業するまでは黒部市内にJR線と地鉄線の接続駅は存在しなかったため(*注)、東京方面から宇奈月温泉・黒部峡谷へは長岡・越後湯沢からの特急列車を当駅で下車し、地鉄へ乗り換えるのが鉄道利用での最短ルートとなっていました。
*注:1969(昭和44)年までは国鉄黒部駅に富山地鉄の黒部支線が接続しており、宇奈月温泉方面への連絡路線として機能していました。
駅前から山方向へ延びる大通りです。地下道で反対の西側へ出た先から最寄りの海岸までは徒歩でも15分程度とのことですが、今日のところは一目見る時間すらもなく。
新魚津駅へはその地下道を介しての連絡。以前はJR線との共同使用駅でしたが両者をつなぐ跨線橋の老朽化のために切り離され、その後は地下道への出入口が改札口となっています。この地下道、来年3月までの予定でリニューアル工事?が実施されていましたが、照明が暗すぎて相当不気味な雰囲気となっていました。
跨線橋が撤去された以外は嘗てと変わらぬ姿であろう新魚津駅ホーム。魚津駅は以前は貨物の取り扱いを行っていたために構内は広大です。東京方面への在来線特急の代替としては新魚津~新黒部間を地鉄で連絡して新幹線と乗り継ぐのが現在の鉄道のみを利用する場合の最速ルート。地鉄でも同区間の往復割引きっぷを発売しています。尤も地元民ならば黒部宇奈月温泉駅の駐車場を使うのでしょうけれども。加えて先述したように富山駅~宇奈月温泉間は当駅であいの風とやま鉄道と地鉄を乗り継ぐと運賃が最安となるため、輸送のボリュームこそ小さいもののあいの風側とはまた異なる機能でもって地鉄線の主要駅であり続けています。
ここまでは予報に反してよく持ってくれたものの、段々と天気は下り坂に。風も強くなってきたので、ホーム上の待合室に引っ込んで電車を待ちます。お次はアルペンルートの西の始点・立山駅へ。
久しぶりに年またぎの連載となっていますが、今年の更新は今日までとさせていただきます。来年はより一層知性溢れる(ドヤッ)自分らしい旅、言い換えれば全く一般受けしないスタイルを先鋭的なまでに追求してみたいものですが……どう転ぶことやら。その辺の出たとこ勝負感を楽しみつつ、弊Blogを通じて皆様にも(執筆に費やせる可処分時間次第ではあるものの)お裾分けできればと考えています。それでは良いお年を。
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