24/10/29 (7)富山地方鉄道立山線 その2/上滝線/軌道線【立山→岩峅寺→南富山→中町(西町北)】
15時27分発の特急<立山2号>電鉄富山行きに乗車。前記の通り、使用中の「鉄道線・市内電車1日フリーきっぷ」には自由席特急料金が含まれています。そろそろアルペンルート帰りの客のラッシュアワーのはずなので早めに乗り場へ向かいましたが、土休日ではないので改札待ちの列の長さはそこそこという感じでした。この改札待ちの間に駅員がやって来て各人の所持するチケットに特急料金が含まれているかのチェック、含まれていなければその場で特急券の販売が行われます。電鉄富山までの全区間乗車の場合は大人400円なのですが、特急料金が必要と聞いて後続の16時00分発の普通列車に切り替える人もいました。私は私でこの値段と知って(えっ!?そんなにすんの!?)と驚かされたり。途中駅で降りてしまえば半額の200円に軽減されるので、私と同様に岩峅寺で不二越・上滝線へ乗り換えれば電鉄富山到着は16分しか変わりませんよ、とアドバイスしてあげたかったのですが、これは先方の仕事ですので……
車両はここまで乗ってきた14760形「富山もようトレイン」の折り返し(※到着時に方向幕の転換を目にしていました)。特急運用を担当する編成はロングシートのないオール転換クロスシートというレイアウトですが、有料特急だからということなのか乗車開始時点で全てのシートがボックス状に転換されているという謎すぎるサービスが実施されていました。そこまで大人数のグループが多いわけでもないので、私が乗車した先頭車両は半分くらいの席が進行方向向きに再転換されましたが(結局乗客の手数が増えただけ)。そういうわけで料金には設備の対価は含まれておらず、JRだと急行料金相当ということになります。全席転クロなので「遜色特急」とまでは申しませんが。
岩峅寺までの所要時間は26分で、往路の普通とは1分しか変わらず。比較的線形の良好な平野部では小駅を飛ばしつつ線内最高速度の70km/hをちょくちょく出すはずで、岩峅寺の手前でちょっぴりそのスピードを体験しましたが、これはこれで盛大に揺れるわけでして。
岩峅寺での下車は予想通り私一人のみ。不二越・上滝線ホームへ歩いていくと、改札口方面との分岐点に駅員が“仁王立ち”しています。やんごとなき私を駅長自らお出迎えではなさそうだし(それならドア前まで迎えに来とるわw)ああこれは…と思っていたら、やっぱり特急券を拝見いたします、でした。ワンマン列車でアテンダントも乗務していないため、全ドアを開ける有人駅ではこの業務が欠かせないというわけです。チェックを終え満ち足りた表情(?)で駅員さんが去っていくと、対向列車が入線。今年2024年は富山港線開業100周年というわけで例の鉄道むすめの新イラストを制作するというプロジェクトをクラファンで募集していたらしく、目標金額の達成記念に鉄道線では14773+74号にヘッドマークの掲出、軌道線のポートラム0606号には記念ラッピングが実施中でした。特に関心はなかったのですが前者は当駅で(下1・2枚目の写真)、後者は夜に富山駅(同3枚目)でぱったり邂逅したので言及せざるを得ず。わざわざ全国から手間とお金を掛けて見に来る人もいるだろうになんで自分が?とは感じるものの、世の中そんなものですよね。
当駅の駅舎は映画のロケに使われるほどの年代物の建築ですが、プラットホームのみでもその雰囲気は十分味わえます。不二越・上滝線経由の普通電鉄富山行きとして待機していた車両は、もう既に書きましたが17480系2両編成。全区間の所要時間は34分とオールロングシート車としては常識的な範囲に収まってはいるものの、元レッドアロー&ニューレッドアローのような豪華な車両も走る地鉄線で6回中2回もこれが当たるというのは紛れもないアンラッキーです。少なくとも元レッドアローの方は夜にホテルから富山駅へ歩いていく途中で元気に営業運転に就いているところを目撃しており、これもサイコロきっぷの当選で今回の旅に割り当てられた運をかなり消費してしまったせいでしょうか。
出発を待つ電車。島式ホームの右側の線路は立山方面と繋がっており、不二越・上滝線からの直通列車も設定可能にはなっています。
私以外の乗客はないまま、16時04分に発車します。間もなく立山駅から来ると三度目の常願寺川を渡り、大川寺(だいせんじ)に停車。現在富山県内にある遊園地は先述のミラージュランドのみですが、1997年までは当駅近くに『大川寺遊園』が存在しました。閉園までの駅名は大川寺遊園、路線自体にも大川寺遊園線という愛称が与えられるほどの地鉄鉄道線沿線第3の集客スポットのはずでしたが、いかんせんアクセス手段はほぼ100%がクルマだった模様。ここはやはり大都市圏の電鉄系の遊園地とは文化が異なるところです。
閑散時間帯は60分間隔まで開きますが、今の時間帯は完全30分間隔での運転。大川寺の次駅、2005年に富山市と合併する前の旧大山町の中心駅だった上滝以下、上滝線区間の途中駅9駅にて細々ながらもコンスタントに乗降があります。地図で見ると常願寺川の右岸を立山線、左岸を不二越・上滝線が営業エリアとして展開するという形。扇状地の扇頂に位置する岩峅寺駅の標高が200m近くあるので、両線ともに平野部もそれなりの勾配が続く路線です。準かぶりつき席に腰掛けていましたが、折からの雨で前面も側面も視界はさっぱりなので索然と車窓を見送るのみ。そんな中で目立ったのが点在する屋敷林(屋敷森)で、ここまで複数の鉄道路線から眺めていたうち当路線沿線のものが最も豪壮な印象がありました。
一向に市街地が近付いている感覚はないまま、16時26分、南富山到着。富山駅~旧富山駅北間のフォローは努力義務扱いとして、ひとまず富山地鉄鉄道線・軌道線全線を完乗です。ここですれ違った電車は驚愕のきょう三度目となる10030形第2編成。本線の普通・急行・特急運用の後は不二越・上滝線も担当ですか。なんたる変幻自在ぶり。これでダブルデッカー車連結ならば完璧だったのに。
驚愕といえば前回の訪問ではち切れんばかりの昭和感と大絶賛していた駅舎および駅前の風景もそっくりそのまま残っていました。
昭和の風景に似合うのは昭和のチンチン電車だけ。16時台にしては本数の方は8本/時と意外に少ないため、迷わず先発の電車に乗車します。ロングシートゆえ、程なく下校の女子高校生に視野の全てを塞がれてしまいましたが、あくまで乗り心地と釣り掛けサウンドを楽しむ時間ということで……
下車するのは西町停留場の予定でしたが段々と雨が本降りになってきているので、電車を降りてすぐにアーケード商店街へ逃げ込める中町(西町北)停留場へ変更。サラッとこういうアドリブがこなせるのはリピーターだからです(エッヘン)。
次回はちょっとビミョーな感じの街歩き編。
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